はるか五帝の時代から清王朝の滅亡まで、中国四千年の歴史をたどりながら、そのなかで生まれた代表的な故事成句が紹介されています。中国王朝興亡史の絵巻物をひもときつつ、故事成句が生まれた当時の世相や時代背景を知ることができるのですね。
読むほどに引っ張り込まれるような面白さを、本書に感じました。
巻末に中国の歴史年表が付されていたのも重宝しました。
ただし一点だけ、残念に思ったのが、書名にある「楽しい」という言葉。本書は決してとっつきにくくはありませんよと、それを出したかったのでしょう。でも、「楽しい中国史」というのは、いただけない気がしました。それよりはむしろ、「故事成句でたどる中国四千年の歴史」とでもしたほうが、本書のタイトルとしてしっくりくるように思いました。