何年にも渡る集団の個体の個別追跡は(さらりと書かれているが)執念の賜物で感動もの.個体識別,行動観察,そして繁殖,生存年数,さらに近くの島への移住までデータが取られている.中身的にはきっちりしたフィールドワークの成果によりメジロの生態が浮かび上がり楽しい.
60年代の動物行動学の香りのする研究の始まりから,何とか自然選択を実証したいという(いまからみると)古風な問題意識が感じられてなかなか味のある書物である.