これがプロというものです。
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平成の世になった頃から日本のあらゆるジャンルでの職人が少なくなってきたように思う。
そんな職人の中でも石工という職業は、どんどんと衰退してゆく職業なのが現実なのだろう。
が、著者の佐野勝司さんは、衰退してゆく石工の技術と伝統を守ろうと今日まで必死に戦い、あくなき好奇心と探究心と行動力をも兼ね備えた稀有の人である。
氏がイースター島モアイ像の復元や高松塚古墳の解体などに於いて大きな成果を上げてきた事などは良く知られているが、本書を読み終わってみて、あらためて氏が数少ないその道のプロ、それも飛び切り一流のプロなのだとの思いを深くした。
文化勲章は、このような人にこそふさわしいと思うのは私だけだろうかな?