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イラク戦争データブック

価格: ¥2,160
カテゴリ: 単行本
ブランド: 明石書店
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目的をもった編集をしてほしかった ★★★☆☆
「イラク戦争データブック」
数値的データはほとんどない。時系列の出来事の流れには本の半分ほどが割かれているが、まさに時系列に並べてあるだけであり、例えばアメリカに関連する発言をたどるなどの親切な機能はない。あくまでデータという表現が適切だろう。索引をつけるなどの工夫がほしかった。
「大量破壊兵器査察から主権移譲まで」
残りの半分では中東研究家の寄稿が載せられている。中東の周辺国への影響に関するものは国毎・総合的両面でバランスが取れていてわかりやすい。だが、寄稿の半分を占めているイラク戦争全体に対する各論は、一貫性がなく寄せ集めの感を否定できない。全体的に主張は薄く、中東の状況の認識を訴える力が強い。

イラクの大量破壊兵器は存在しないのでは、という状況で出版されたので、出版の時期は適していた。しかし、書籍というよりは研究者が利用していた資料を簡単にまとめて出版したという印象は拭えない。

有益な情報もあるが、表題と比べると内容は期待外れ。 ★★☆☆☆
イラク戦争を時系列的、数値的に追いたいと思い、表題からまさに最適な本と思って購入したが、その意味では期待はずれだった。中東調査会を中心とする日本の優秀な中東研究者が多く寄稿しており、サウジアラビア、クウェイト、ヨルダン、イラン、シリア、トルコなどの中東各国の対応を論じた第2部の「イラク戦争と周辺国」は他の文献にはない情報が読めるし、第1部の「イラク戦争をめぐって」も日本と中東の関係などへの言及が多いので、タイトルを「イラク戦争と中東」にしていれば、内容と合致するだけでなく、今回の戦争が中東政治の文脈を無視して展開された特殊な戦争であることも静かに告発できたのではないか。肝心のデータ部分である第3部「イラク戦争関連資料」は、時系列的に、大量破壊兵器関連、各国の動き(フランス、ロシア、中国、日本)、政権委譲をめぐる動きの推移を読めるクロニクルになっているが、日本の新聞を追うだけでは分からない出来事も多数入っているものの、米国と国連を軸に各国の言動が交錯する外交戦を読むのにはかえって不便になっている。私には結局、事態の推移を読むのには雑誌『国際問題』(月刊、日本国際問題研究所)の毎号に載っている月表の方が、情報量は少なくても便利だと思えた。また、数値のデータは現地の治安情勢についてのものが1ページあるだけである。せめて各国の派兵(派遣)状況や、多国籍部隊の構成などの図表は欲しかった。山内昌之、大野元裕の編者名が期待させる内容ではなかったというのが正直な感想である。