「本嫌いにする方法」というのはもちろん反語であり、「こういうことをすると本が嫌いになるから気をつけてね」という意味である。9つの方法の中には、親としてつい言ってしまいそうになる「その本はもう読んだでしょ」「“よい本”を読みなさい」も含まれており、すごく参考になった。これからは気をつけよーっと。
本題と関係ないが、ひとつだけ驚いたのは、著者が「9つの方法」を教育関係のメールマガジンに連載した時のエピソード。匿名のメールが届き、「お前は何がしたいんじゃ、不愉快なメールやのう。教師なら、そんなやつは不用や、辞めちまえ」と書いてあった、とのこと。著者も「ここまで徹底的に反対に書けば、みなさん笑って読んでくださるにちがいない、よもや誤解されることはあるまいと思っていただけに、たいへん驚きました」と書いていたが、こんな誤解をした上に匿名で品性下劣なメールを送ってくる人が「教育関係メルマガ」の読者だとは驚きである。
この読者も教師なのだろうか。こんな融通の効かない独善的な教師が我が子の担任になったらどうしよう、と不安になってしまう。温厚な著者に成りかわって「お前こそ辞めちまえ」と言ってやりたい。
ひげうさぎさんが、ずーっとひきだし続けてきたこと、それは、子供たちの本に対するポジティブな気持ちではないでしょうか。毎日5分の読み聞かせをしているひげうさぎ先生によって、「本を読みたいなー」という気持ちを引き出された子供たちはきっと人生の素晴しいカギを手にして卒業していったに違いないと思います。
この本の一番最後のQ&Aに素晴しい言葉がありました。
読書は「~のために」するものではありません。読むことそのものがたのしみであり、目的なのです。
うーん、いいですねぇー。僕もそう思います。子供といっしょの時間を楽しむ、素敵な時間が読みきかせの時間ですよね。
この本は、先生や親御さんなどたくさんの方に読んで欲しいですね。これからの子供たちが、本好きになれるように・・・。
僕は学校の先生じゃないので、ひげうさぎさんのように読み聞かせの時間はもてませんが、「図書館の読み聞かせタイムに参加させてください」なんてのはありかなぁ・・・と思いました。きっと、違う自分の発見にもなるような気がして・・。
紹介されている本の良さもさることながら、ひげうさぎさんの本の紹介の仕方がすばらしく、掲載されている本を全部読んでみたくなります。ひげうさぎさんに読みきかせをしてもらっている子どもたちはなんて幸せでしょう。
自分の力で物事を構築する力を育てる基本として、面白く読んだ本の感想を書いたり話したりして友だちに紹介するのはいいことと思っていました。感想文を書くことは、考えをまとめる、発表するのを養ういい方法だと思っていました。でも、感想文が本を遠ざける一因と知りショックです。「好き」という感情は、人がある行動を起こす基本ですから、嫌だと思うことを強要するのがよくないのですね。感想文を書くこと自体ではなく、書かせ方が問題なのでしょうか?
また、昔話のお姫様・王子様の話と男女差別に関する言及には目からうろこが落ちました。"異質なもの”も取り入れて子どもたちに紹介されていることに敬服します。