ォロー」「介護術のノウハウ」そして、「社
会制度や法律上のこと、シルバーサービス受
け方や問合せ先」などが網羅は嬉しい。
介護には親との関係の他、介護する者とそ
の配偶者、親戚兄弟との関係も平和な方が問
題はない。そうする為の手法が例別に、複雑
な心情も鑑みた上でツールも一緒に記載され
ているのには感心した。特にインターネット
は「高齢者」というキーワードから、はずせ
ないものだと、押し付けでなく納得させてく
れるくだりは印象的だ。ちなみに、自分の身
近な存在である70歳の男性は、これを読みパ
ソコン購入を決心した。彼は今年の暮れから
700km遠方に住む95歳の母と同居を決め、い
ろいろ悩んでいたのだった。
介護方法の実務ノウハウ部分を妻に頼み込
んで読んでもらい、同行の意を得(その相談
へ仕方や、周囲との意見の合せ方、自分の気
持ちのあり方もこの本に記載してある)既婚
の娘には、弁護士や行政書士の紹介を頼み、
現地の福祉相互相談支援センターに自ら電話
をしていた。「最後まで読める字の大きさが
よかった」と、活字がやや大きく太く設定
してあり読みやすく、本当の意味で実用でき
る一冊だったようだ。実用書の良し悪しは、
役に立つかどうかだ。が、きっかけがないと
読めないものでもある。
本書は予備軍世代にも、ぜひ進めたい。も
う始っている老々介護や、一人で二人以上の
介護を担う時代の実務と心情の両方をサポー
トする一助になりうる一冊だと思う。