[著者は福音館書店創業に参画し、社長、会長を務めた方で、ご自身も著作に携わり、編集の仕事もしてこられた方です。このような経歴をもつ方は、ともすると自慢話めいた本を知らず知らずものしてしまうものですが、この御本を読んで感じるのは創業者の志です。富山房発行「模範家庭文庫」24巻(1915から1933まで18年間楠山正雄編集)に関して「そのエディターシップの見事さに感嘆し、身のひきしまる思いがした。こうした先人の志をどのくらい引き継げたかを・・・幾度も考えたものである」とありますが、確かに「引き継」いでおられる様子がこの御本から読み取ることができます。]
この本はまた、子どもたちにとっての良い(絵)本とは何かを説明し紹介もしています。マリー・ホール・エッツ、中川李枝子、柳生弦一郎などの作家とその絵本がなぜ子どもたちにとって良いものと言えるのか、経験談も交えて紹介されています。親の皆さん、教育に携わる方、そして子どものこころを呼び起こしたい大人の方にお奨めです。