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朝日歌壇2006

価格: ¥3,000
カテゴリ: 単行本
ブランド: 朝日ソノラマ
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今を生きる日本人の生活詠 ★★★★★
 2005年一年間の朝日歌壇入選作を総まとめしたもの。朝日歌壇が始まって半世紀が経つとか。日本の津々浦々に暮らす日本人の生活感情が詠まれた、これらの歌々は「平成万葉集」と呼ぶべきアンソロジーであろう。
虐待にて死ぬ子にも皆名前あり名づけし日には愛のありしを
「高野公彦選」悲しい運命をたどった子の、生誕の時に受けた愛を想う歌。                 
 海ゆがみ津波を起こす 人ゆがみ他国を攻める ゆがむ恐ろし
「高野公彦選評」最近の大津波や戦争への恐怖を、簡潔に「ゆがむ」という一語で表現したのが見事。
 廃線の駅舎をくるむ花の雨過疎の村より過疎の市となる
「永田和彦選評」市と改称されても所詮過疎の村が過疎の市になっただけだという把握は端的かつ辛辣。
 少子化のニュース伝える女子アナの棒読みの朝あさっての朝
「佐々木幸綱選評」日本の少子化は深刻だが、問題を先送りして、有効な手を打てないでいる。現状をさらっと歌って鋭い。
 太古より姿を変えぬ甲蟹深化せし種を嗤う如くに
「馬場あき子選評」人間の科学や文明はどこまで進化発展の道をたどるのだろう。太古から進化を拒んでいるような「甲蟹」を対置させて文明社会のあり方を問うている。
 以上、ここでは僅かに5首を挙げるにすぎなかったが、全国の数多くの優れた歌々に感動し、今もなお「真率な万葉の心」は生き続けていると確信する(雅)