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マスタベーションの歴史

価格: ¥2,310
カテゴリ: 単行本
ブランド: 作品社
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労作だとは思うが…… ★★★☆☆
「ペニスの文化史」という本を買って読んだら非常に良かったものだからこれも読んでみようと買ってみたのですが、まあどうでしょう。二匹目のドジョウ云々とは言うけれど、果たして私にとってこの本は二匹目のドジョウとなり得るのかどうか(この言い回しの語意通り、当て外れと評価すべきかどうか)、微妙なところです。完全な愚作とまでは言い難い。いわゆる「偏屈な人々」の姿がきわめてリアルに描き出されているからです。私にとっては反面教師としてすごく参考になります(世間的にその人々の生きざまに覚えず自分の姿を投影して考え込んでしまう人は多いはず)。ただ、他の方のレビューにもあるようですが、内容が近世ヨーロッパにおけるあれこれに偏っており(と言うか、ほとんどそれしか書かれていない)、「マスタベーションの歴史」になっていません。「マスタベーション有害論−近世ヨーロッパにおけるその隆盛と衰微」とでもすべきだったのでは? 実は私としては古代ギリシャや古代ローマ、さらにはインカ文明におけるマスターベーションの扱われ方に一番興味があったのですが……。労作・力作であって失敗作ではない。だが、傑作の評価も無理。典型的な努力が空回りというタイプで、「オナニスム」という珍しい本に巡り会ったことで有頂天になってしまい冷静さを欠いたの印象。あえて資格試験や学校の学期末試験等にたとえて言うならば事前のヤマが当たったことに喜ぶあまり問題文を読み間違えたようなものか。以上のようにタイトルの付け間違いを(ただのうっかりミスではなくて)書きたいと希望した内容と実際に書き上がった内容の実質的なずれであると捉えるとき、落第ではないが最低点による及第。よって100点満点の60点であり、評価は5段階中の3と考えます。
今ひとつ足りない ★★★☆☆
マスタべーションについては、フランスなどに相当の研究実績があるようだが、日本人の手になるまとまった書物は決して多くはない。この書物は、西洋のマスタべーションに関する主要文献を渉猟し、西洋社会でマスタべーションがどのように解釈されてきたかを簡潔に紹介する「マスタべーション入門書」である。したがって、これに類する書物は欧米に相当数存在している。(例えば、Masturbation: The History of a Great Terror by Jean Stengers & Anne van Neckなど)内容的にはそれらと大同小異であるから、著者が「あとがき」で、「ここに書いたことにはすべて明確な証拠があるということだ。・・・・誰かの議論を借りてきて一見、格好よく見える、それていて実質的にはたいしたことは言っていない-こんなものの言い方はまったくしていないということでもある」と自画自賛しているほどには独創的なものでない。第一、そういうことは読者が判断することであろう。
 先行研究が少ないから困難ではあろうが、日本社会におけるマスタべーション解釈の変遷と現状を、西洋の事例を踏まえて論じるならばそれこそ独創的というもので、著者にはそのような仕事を期待したい。
他社から出版された類書よりは「ましな本」です。 ★★★★☆
 『マスタベーションの歴史』というタイトルは適切ではありません。 本書は何ら「マスタベーションの文化史」全体を語っては居らず、ただ近世以降の欧米キリスト教世界、とりわけヴィクトリア時代の「異様にして奇怪なまでの」セックス抑圧社会に於ける”マスタベーション罪悪論”と、それがもたらした弊害の数々を縷々述べているに過ぎないのですから。

確かに彼らキリスト教徒の歪つな性道徳や、非生殖的性行為に対するヒステリックな迄の弾劾・禁圧の「歴史」を知るうえでは大いに参考になる書です。