「中国に仕事を奪われた!」と思う方は必読。
★★★★★
経理・総務を中国に移すスペシャリスト・海野氏。
もともと米国のコンサル会社でアウトソーシングに携わっていた方で、「中国に雑務を移さないと日本企業は効率の悪さで潰れる」との話は説得力十分です。
「中国に仕事を取られた」と悔しい方は必読。
厳しい国際的な競争を的確に語ることができて、まぎれもなく現代のビジネス・リーダーのお一人とお見受けしたので、著書が少ないのが残念。
日本の国興し&中国の村興し・・・海野さんの思いが詰まった1冊です
★★★★★
タイトルが内容に負けている珍しい本ですが(すいません)、
56歳を過ぎたら日本という国のために生きたい、そのために何をすべきかという海野さんの崇高で熱い思いが詰まった1冊です。
そのための最も有効な手段がBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)。
まず中国にとって。
実質GDP成長率が1990年代の半ばから10%平均で推移しています。
これは内陸の農村部を含めて。
北京や上海では50〜60%の成長率。
そこから生まれる社会、経済の「スピード感」「チャレンジ精神」。
ハイリスク、ハイリターンこそが今の中国のビジネス社会の大原則。
あわせて需要と供給のミスマッチもともなう大学生の就職難。
2006年のデータでは413万人の大学新卒者に対して就職率が約60%。
165万人が就職できず。
彼らも含めてチャンス、雇用の機会を提供する、村興し。
一方、日本にとっては。
企業の部長、課長クラスの40歳代以上の世代に対してグローバルマインドを養い、日本人の人材を興すきっかけの提供。
『グローバルリーダーシップ研修』
参加者に問いかける問題意識は4点。
・「外国人と上手に協力関係を築いて仕事ができていますか」
・「日々、チャレンジ精神を持って仕事をしていますか」
・「あなたの常識はグローバルで通用しますか」
・「日本の文化・価値観について深い理解をもっているか」
20歳代の若い世代に向けて。
『キャリア・イノベーション・イン・チャイナ』
参加費のたぐいは一切必要としない。
現地での就業に対して給与を支払う。
その上、中国語も学べる。
そして彼らが中国語を話せる稀有な日本人として中国という国の中で活躍し、日中の架け橋になる。
世の中になんらかの形で貢献したいと考えている全ての方々にヒント、パッションを与えることができるので、是非読むことをお勧めします。
本の内容とは直接関係しませんが、個人的にメモッた箇所を。
・欧米企業の日々の仕事の効率が日本企業より勝っているとは一度たりとも思ったことがない。
しかし、欧米企業は彼らを取り巻く状況の変化に常に敏感で、熾烈な競争社会の中で生き残っていくためのドラスティックな経営を、トップダウンで実行していくことができる
・狡猾な中国人の交渉術にはかないませんが、「誠実さ」と「実直さ」は日本にとっての最大の武器。
・少なくとも30年先を見据えている必要がある。30年というスパンで物事に取り組まなければ組織を引っ張ることはできない。
日本の企業に求められていることは、まさに将来をどう見据えて行動するか
『本社も経理も中国へ』
★★★★★
日本はこのままいくとどうなるのかを心配する方は多いと思います。
この本には日本もしくは日本人に残されている
進むべき道のヒントが確かにあります。