より深く賢治を知れる、人の慾や宿業を描いた厳選童話集
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人の強欲・悪意・他者を殺しうる性質・拭い切れない宿業等をかつてキリスト教に興味を持ち、その後、国柱会に属し日蓮の教えの布教に努めた賢治が童話という形に一見分りやすく読みやすくしかし果てし無き深遠さを持って表現した作品の厳選集です。
本書を読む事で「銀河鉄道の夜」「雨ニモマケズ」「永訣の朝」「よだかの星」等の代表作だけでは気付けない知りえない賢治の懐の深さや怖い童話作品として表出された彼の心の葛藤を知る事が出来る素晴らしいアンソロジー(選書)です。