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Unconsoled

価格: ¥1,424
カテゴリ: ペーパーバック
ブランド: Faber & Faber
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ちょっと読むのがつらかった ★★★☆☆
Kazuo Ishiguroの作品を、原書で読みたくなって、アマゾンで検索してみました。村上春樹の英語訳をほぼすべて読み通したら、なんとなくその気になって。「わたしを離さないで」と「わたしたちが孤児だったころ」は1−2年以内に日本語訳で読んでいたので、没。もちろん何の本に限らず、数年前以上に日本語訳で読んだものを、原書で読むことはよくありますが。「日の名残り」も最近、DVDで見たので没。初期の日本人が主人公のものは、なんとなく読み気がしなくて、没。で、結局これを読んだのですが。なんか、あらずじがカフカみたいだし、ちょっと変わった設定だったので。しかし、正直言ってちょっとつらかった。真ん中くらいで、おもしろくなくなってきたのですが、途中で止めるのももったいなくて読み終えました。最後はちょっと、もり返しましたが。日本語訳はまあ、読まないと思います。後、2001年宇宙の旅でクリント・イーストウッド主役で出てることになってますが、これはどういう意図があるのでしょうか。ライダーの混迷ぶりを現している?まあ、どうでもいいですが。
作家的悪意 ★★★★★
ブッカー賞を受賞し、映画化もされた『日の名残り』に続く、
日系イギリス人作家カズオ・イシグロの長編第四作。

デビュー作と二作目では、戦後間もない時期の日本を舞台に、
価値観の転変に適応できずに苦しむ人々の姿を丁寧に描き、
三作目となる『日の名残り』では、一転して舞台を英国に取り、
英国人以上の緻密さで執事の人生を描いてみせたイシグロ。

その彼が次の作品の舞台に選んだのは、
場所はもうひとつはっきりしないが中欧のどこかではあるらしい、
芸術熱の盛んな中小都市であり、
主人公のピアニスト、ライダーはそのキャリアの節目となるような
重要なコンサートを目的にこの街を訪れることになる。

冒頭、ホテルのエレベータに乗る場面で、
ライダーの荷物を手にする初老のボーイ、グスタフが、
自らに課した職業上の倫理を口にし始めるところで、
読者の誰もが思わず微笑みを浮かべずにはいられないのだが、
そんな読者をよそに思わぬ方向へと逸れ始めたストーリーは、
もはや正統的な純文学の枠組みに復帰することはなく、
逸脱に次ぐ逸脱を重ねたかと思うと、
何とも寝覚めの悪い悪夢の連続のような世界を紡ぎ出していく。

あれほどの成功を収めた『日の名残り』の次に、
失敗作と呼ばれることを恐れるどころか、
読者の期待を絶対に裏切ってやろうと言わんばかりの
変化球の極みのようなこの作品を持ってくるあたりに、
イシグロの作家的悪意を感じ、なぜか嬉しくなってしまった。
結局彼はこういうものを書きたかったんじゃないの。 ★★★★★
長くて、わけが分からない。高名なピアニストがある街を訪れ、公演の前の数日をその街の正体不明で極めててわがままな人達に振り回されながら過ごす、というお話。相当のイシグロ通じゃないと読み通すことは出来ないんじゃないか、という気がします。でも私はこの作品が一番好き。

彼の作品の主人公はほとんどが、それがどのような職業であれ、自分の仕事については相当に完成度の高いプロフェッショナルなのですが、それでいて内面的にはある矛盾を抱えていて、しかもそれに対してのアプローチがお茶目と言うか幼いと言うかちょっと変な人物、というのばかりです。その一番極端な例がこの作品の中のピアノの先生でしょう。だから面白いんですよね。
抑制の効いた、冷静で知的な語り口が売り物のイシグロさんが、とうとうその箍を外して好きなように書いちゃいました、って感じがして、嬉しかったです。それでいて感じ入ったり、思わず考え込んでしまうような部分もたくさん。イシグロ初心者には向かないかも知れませんが、イシグロ通になりたいなら、しっかりと読破して味わって見るべきです。

The Unconsoled ★★★☆☆
高名なピアニストが、文化的意識の高い小さな町の大イベントに招かれた。しかし待っていたのは、教養ある家庭に育った妻に対し深いコンプレックスを持つ滞在先ホテルのマネジャー、離れていった妻への激しい欲情を吐露する指揮者、そして町の問題点を必死に説明し、援助を求める人々の群れだった。その人々の悩みや苦悩を聞きながら、彼は自分自身の過去へと深く入り込んでいく。その町は彼にとっても縁の深い町だったのだ。この物語では「日の名残り」のスティーブンスによく似たプレフェッショナリズムに徹するポーターが古き良き帝国の時代の香りを伝えている。