「何これ?」なシリーズの始まり
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今年の僕らのクラスはハズレだ。だって担任が「あの」フリズル先生、校内でも有名な変わり者なんだ。案の定、授業は面倒だし、課題は多いし、おまけに校外学習は浄水場! 他のクラスは動物園だって、いいなあ・・・。
そんな出だしで、この壮大な科学の旅は始まります。絵は正直、日本人が自分から読もうと思うようなきれいな絵では決してありませんが、読んでいるうちに慣れて来ます。そしてとにかく書き込みが凄い。本文は非常にシンプルなのですが、教室やページの隅々まで張り込まれた豆知識の数々をつい目で追っているうちに、「あれ?どこまで行ってたっけ?」と迷子になってしまいます。その間に本筋はとんでもない方向にどんどん進んでいるわけなんですが・・・。
変な格好で謎だらけの、理科教師というよりは魔女っぽいフリズル先生が、クラスの生徒を古いスクールバスに乗せて、走り出したらさあ大変! あなたも一緒に不思議な校外学習に出かけましょう。実体験して帰ってレポートを書く(!)頃には、いっぱしの「通」になっているのですが、きっと生徒達に自覚はないんだろうなあ・・・。
アメリカの公立学校の理科の授業でよく扱う内容をふくらませた、優れた科学読み物ですが、遊び心も一杯。特に先生の服や靴やアクセサリーは、七変化で要チェックです。