windows でも試すことができます
★★★★☆
サンプルは windows でも試すことができます。環境の作り方のために、一節を割いて丁寧に説明されています。また、ダウンロードしたサンプルコードには、Visual Studio 用ファイルが含まれていました。
ネット上の情報では、スキャナ yylex 関数とパーサ yyparse 関数の間を外部変数でつなぐことが多いようですが、この本では引数にクラスインスタンスへの参照を使ってつないでいます。このような使い方で一貫したサンプルが入手できるのは意味があると思います。
全体として、確かに理論よりは実装寄りの本だと思います。とはいえ、手書き、bison/flex、boost::sprit の3通りの実例を挙げた説明があり、単なるサンプルコードの解説をした本とは異なり、もう少し深いところを目指した本と思われます。
ゲームプログラマ中級者にお勧め
★★★★☆
明言こそされていないものの、この本の読者として想定されているのは「ゲームプログラム界隈でスクリプトエンジンの単語を耳に挟むけど自分で作るにはちょっと敷居が高い」と感じている人だと思います。著者もゲーム方面で本を書いておられる方ですし。
内容の方ですが、スクリプトエンジンとは何ぞやをざっくり説明した後、構文解析の例示、BASICタイプの言語の作成、Cタイプの構造化言語の作成とステップアップしていきます。技術的にはUNIXのBison&flexとC++のBoostライブラリの2つの実装方法が載っています。
理論より実装寄りの本ですので、ゲームエンジン作成のためのサンプルプログラムが欲しいという人にはうってつけの本だと思います。
ただし注意しておく点として、この本にはサンプルが付属していませんので別途ダウンロードする形となります。また、サンプルの大半はBisonを使って実装していますので、UNIX系の処理環境がないとMakeすることすらできません。更に、Bisonのインストールや使い方についても手取り足取り説明してくれる訳ではないので、その辺は自分で何とかすることになります。
最後に、この本結構分厚いのですが、ただサンプルコードを載せているだけのページが幾らかあります。
個人的にそういうのはCDでやってほしいので☆1つ減らして4としておきます。