一度読んでおいて損はない
★★★☆☆
僕は「判断力」についての本を読むのは初めてです。その前提で
・それほど目新しい内容では無いと感じた。
・しかし、よくまとまっている(現時点ではそう感じる)ので読んでおいて損はない。薄いの ですぐ読めます。できれば、借りずに実際に購入して手元においておき、適宜読み返す事 をお勧めします。(「判断」は普段の生活のあらゆる場面にあり、一度読むだけでは様々な 状況の自分の判断と、本の内容を照らし合わせるのは難しいため)
情報をどのように認識するか
★★★★★
本書は、心理学を知ることで、判断のミスを減らそうと試みて
います。判断の元となる情報をどのように認識するか、という
アプローチが新鮮です。
具体的には、事例などを心理学の観点から層別することで
同じような判断ミスをしないよう提言しています。
例:二分割思考や完全主義思考は「不適応思考」
前例主義や思い込みは「スキーマに縛られた思考」
大勢いると「1人くらいしなくても」と手を抜く「社会的手抜き」
また、自分の認知パターンを認知する「メタ認知」が重要と
されています。本書の事例を読み込み、自らの認知・判断の
パターンを確認することで「メタ認知」できるでしょう。
面白いアプローチ
★★★★☆
なぜ、そのように判断をしたのか。と心理面からアプローチしている。
ものによっては、自分の心理的要素は排除して物事を「判断」すべきであるが、人間そうはうまくいかないのだということがわかる。「判断」には、心理的なことが多く影響してしまうのだ。そんなときに「判断ミス」というものが起きてしまうことがよくわかる。
適切な判断を行うためのヒントは隠されていると思う。
なによりも、事例が多いので、わかりやすく頭に入るし、読む興味がわく。さらっと気軽に読めるのがいい。
人間の判断力の弱さを知る本
★★★☆☆
自分の判断の心理背景を考察したり、政治家、官僚、企業の判断ミスの心理的要因等を考える上で、参考となる読みやすい本である。二分割思考、完全主義思考、レッテル貼り等の危険性を指摘している。
ポイント部分に線を引き、時々読み返すと、その本書の効果が現れてくるであろう。ただし、内容的には基本的なことばかりなので、同じテーマの本をすでに読んでいる方には、物足りないかもしれない。
適用範囲が広範囲で風呂敷広げすぎな社会批評
★★★☆☆
いつもながらの、心理学で社会事象、経済事象を分析してみましょう、
の一冊です。
扱っている事件、事実、社会事象、経済事象が、果ては世界的企業の経営
から、個人の受験にいたるまで、扱うお題が広範囲で、
その情報力、カバー範囲の広さ、分析力と情報処理能力には
感服します。ですが、どう読んでも、心理学で切るのが無理があるもの
の事例も、強引に引用していますが、そこが、ちゃんと分析、解析
のネタとして収まるところが、和田先生の真骨頂といえます。
ただ、失敗学の章では、事例を挙げていちいち分析していて、姿勢はために
なりますが、後付ではなんとでもいえるのでは、という感想もあります。
軽い気持ちで肩肘張らずに、読むエッセイ、雑文といったところでしょうか。
なお、登場する心理学、社会心理学のツールは、いつも先生の著作に
登場するおなじみのもの。ワン・コンテンツ、マルチ・パーパスでいくところ
が、大量生産可能な先生の真髄です。