宝石による宝石
★★★★★
昭和30年代の傑作の短編小説が12編と江戸川乱歩と松本清張の対談が載ってます。
推理小説は著者にだまされる、感心する、発想に驚くなどが読み応えであろう。こういった系の短編の集合体はどうしても自分好みで甲乙をつけてしまい、あれが面白かったが、これは・・・ということが普通なのだが、自分はみんな面白かった。まさに甲乙つけがたいのである。平均30ページくらいの短い短編集なのだが本当に傑作ぞろいである。
あの頃しか起こらなかった、できなかったというのもある。でもよい。選りすぐられたコクはそれを感じなかった。
例えば地面を掘りおこして、その穴の中に採った野菜を保存している場面がある。地面の下の穴の中はひんやりしているからだと思われる。今ではそんな事をやる人はまれであるが、昔は普通にしていたんだろう。そういった話は10代、20代にはわかりずらいかも知れないですね。