Mental ray を論理的に理解したい人には良い。
★★★★☆
様々なレンダリングソフトウェアに組み込まれているMental rayだが、その内側を詳細に述べた本は本書以外におそらく発売されていない。例えば、Mental rayは3ds Max R6にも標準レンダリングエンジンとして搭載されているが、3ds Maxのマニュアルでもmental ray の詳細についてはあまり触れられておらず、むしろ本書を参照するように促されている。本書はMental ray を論理的に理解したい人には良いが、「何はともあれmental ray でレンダリングできるようになりたい。」という人向けではない。また、3ds MaxやMayaなどのような特定のソフトウェアに特化した記述はなされていない。表現は全体的に少し堅い。チュートリアルはなく、カラーキャプションは少ない。文字が多く、プログラム言語やフローチャートによる表現が多いので、読破するにはそれなりの気合いが必要である。冷たい感じのする本だが、mental rayを理解するには本書を読むしかない。本書はmental ray のV3にまで言及している。