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超伝導の量子統計理論―初歩から学ぶ超伝導

価格: ¥5,040
カテゴリ: 単行本
ブランド: シュプリンガー・フェアラーク東京
Amazon.co.jpで確認
新しい分野に手を広げようとしている研究者には結構悪くない本です ★★★★★
ターゲットは理論計算の好きな研究者か理論系学生かと思います。
目的は理論計算で超伝導現象の現象記述や予測を出来るように
なる点に置かれているため、計算手法の説明は丁寧です。
超伝導現象の問題点と理論計算が何を明らかにしてくれるのかという
関係性を見失わないためにも、理論計算を読んでいる合間に、
「引き」の目線で全体を見通すことも忘れない方がいいと思います。
実験系の人が書いた現象の本も併用するとつかめてくると思います。
また、ここで展開されている計算手法は固体物性理論全般に広く用いられる
方法なので、身につけると他の点でも役に立つので勉強しがいがあります。
序論は大まかな問題点をサーベイする上で良くまとまっていると思います。
メソスコピック系の現代的なトピックもバランス良く入っているところや、
最後に化合物・高温超伝導体の話しも2章さいているところが
本書のおもしろさでもあると思います。
この分野を専門と使用とする修士位の学生にはもう少し骨のある本
を読んでもいいと思いますが、
いろいろ手を広げようとしている研究者には結構悪くない本だと思います。
勉強にはなったが…… ★★☆☆☆
この本は、「初歩から学ぶ」という文句の通り、懇切丁寧に書こうとしていることは理解できる。
しかし、そのバランスが悪いため、この本のみで理解すると言う、この本のコンセプトに合っていないように感じる。
計算過程は割としっかり書いてあるのだが、その「物理的な意義」が欠けていたり、
本文の意味を汲み取ることが不可能な箇所がある(文章が多いところに特に散見される)。
確かに大学院生をターゲットに置いて書かれているので、それで良いと言えば良いのだが、そうだとすると、前半の数章はあまり意味を為さない。つまり、誰を対象に書かれているのか微妙である。
原書を持っていないので、判断できないが、明らかに訳が悪いだろうな、という所も見られる。
やはり超伝導と言えば、ティンカムとか中嶋になってしまうのか。