アイランドレーベルが世界に向けてメジャーデビューさせた８０年代に、（たしか代々木オリンピックプール会場）彼のコンサートに行った。会社帰り、サラリーマンスーツのまま、半分なめた気持ちで音に耳を傾けていた。しかし時間が経つにしたがって会場内は異様な熱気に包まれ、さながら踊る宗教会場に変貌していた。特にトーキングドラムの音が体中に響き渡ったころ、気がつけばジャケットを右手で振り回し、Ｙシャツは汗でグショグショになっていた。このＢＥＳＴ盤は”Ｃｌａｓｓｉｃ”とある通り、そのときに体中で浴びた音色はどこにもありません。初めてＡＤＥの音楽に触れる方には、薦めません。

80年代初頭世界中を駆け巡ったJUJU旋風。ひょっとしたら日本だけなんでしょうか？丁度同じ頃死んじゃったボブ・マーリィより凄いとか言う人が結構いましたね。私も正直今まで聴いたことのない音楽で奥行きのある３次元の音にのめりこんだことを覚えています。当時の録音はアイランドから、つまり国際版、それに対してこのCDはクラシックとうたっているように現地オリジナル国内版だと思う。この差が実に大きい。特に18分にわたって演奏されるオリジナル･シンクロ･システムの凄さに驚愕し興奮する。アイランド版は確かにカラフルにきらびやかに出来ているが、オリジナルはシンプルで泥臭く力強く思わずぐぐーっとくる凄みがある。当時はトーキングドラムがあの３次元サウンドを作っていると思ってたけど実は!ベースの音なんだね。そしてそれはファンクののりそのもの。サニー･アデもJBの影響をかなり受けてるのは間違いないことがこのオリジナルを聞くと分かる。他の曲もすばらしくアフロ、ファンクの好きな人には絶対おススメ。