膨大な知識と経験に支えられた著者はベルギーをベースに活動するNGOの代表をつとめ、その道での経験も豊富です。簡単に(あっさりすりぐくらい)開発理論の説明をしてから、ひとつひとつ批判し、開発において現地の文化がいかに重要な働きをするかが書かれています。 後半に、インドの各地での開発ワーカーやアシュラムでの対話が載っており、面白いです。
60年代から本格化した開発が失敗してきたのは、文化を開発のアポリアとし、無視してきた「開発する側」の態度に問題があるとしてそれだけをとりあげていますが、ほかに問題はないの?とつっこみたくなります。