親しみやすいリスクマネジメント用語辞典
★★★★☆
学問的で親しみにくい本のように思えるかもしれない。しかし、そうとばかりはいえない。例えば、本書をパラパラとめくっていくと、「経営者リスクとリスクマネジメント」の項目に出会う。そこには、次のようなことが書かれている。「組織破綻の最大の要因は、経営者リスクにあるといっても過言ではない。経営者リスクのリスクマネジメントは①経営者の人的リスク(キーマン・リスク)の処理としての後継者育成、②性格リスク、能力リスクを有する経営者への対処、その是正策としてのマネジメントマイオピアの矯正と企業家精神の向上、③経営態度不良(ワンマン経営、放漫経営、経営不在、同族経営)の是正、④内部統制ならびにコーポレート・ガバナンス(企業統治)機構の充実による経営の透明化・経営監視の強化などから構成される」とある。この部分を読むと、思わず「ニヤリ」としてしまう。新聞の経済面、社会面をにぎわす様々な企業スキャンダルが目に浮かぶからだ。本書の監修者亀井利明関西大学名誉教授は、事件・事故発生の際に新聞社からコメントを求められ、新聞紙上に登場して手厳しい発言をしている。学生、ビジネスマン向き。