明治から昭和初期にかけて活躍した物理学者、随筆家、俳人である寺田寅彦の随筆作品。初出は「科学」［1931（昭和6）年］。「寺田寅彦随筆集　第三巻」［小宮豊隆編、岩波書店、1948（昭和23）年］に収録。ルクレチウスによって後世に伝えられたエピキュリアン派の所説について綴ったもの。「質的の研究が量的の研究に変わったために、そこで始めてほんとうの科学が初まった」という命題をもとに、寺田寅彦独特の考察が綴られている。