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This Time Is Different: Eight Centuries of Financial Folly

価格: ¥2,904
カテゴリ: ハードカバー
ブランド: Princeton Univ Pr
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13世紀から現在までの金融・経済危機の研究 ★★★★☆
本書は2009年出版ですが、2007年頃(2006年頃?)に米経済分析局(NBER)が公表していたレポートをベースにしながら、さらに詳細なデータ・図表を加えて、章立ての構成を整えたうえ、

What Have We Learned?
There is nothing new except what is forgotten.
などといったウィットの効いた章題をつけたほか、政府債務関連に関する詳細な解説文が加えられており、さらに読みごたえあるものになっています。
ただ、分量が多いため時間のない方は拾い読みしてから、個別箇所を読むのが効率よさそうです。

直近約200年間で1940年まではコモディティ価格がトレンドから上方乖離した期間(ブーム)のあとに、デフォルト増加期が追随するパターンをくりかえし、第二次大戦後もその連関はみられるが、やや弱まった。とか、バンキングクライシスでは実質住宅価格が警告指標としてほぼトップの連関がみられた。など、危機はよく起きており、実証データからパターン性をもつことを明らかにしてます。
危機のAftermathについても記述があり、危機後の現在でもバリアブルな内容になっています。
危機は繰り返している ★★★★★
毎回、「今回の危機はいつもと違う」ということがいわれるが、パターンは決まっているのではないかというのがロゴフたちの主張である。
豊富なデータに基づき説得力がある。
危機発生のパターンも図で示されていてわかりやすい。
過去の経験から、現在に当てはめてみると、次に起こるのは通貨暴落そしてインフレ。
日本で言われていることも同じようなこと。
そしてその後に起こることも書いてある。
100年に一度の大不況などとマスコミなどにあおられているが、確かに負債の規模は大きいが次になにが起こるかはある程度予測できるようだ。
この本を読んで来るべき危機に静かに覚悟を決めるということかもしれない。
やたらと分厚いので、時間のない方はPARTVを飛ばし読み、必要に応じて前を読むという読み方で理解できると思う。
”There is nothing new except what is forgotten”- Rose Bertin ★★★★☆
最終章(第17章)が収められている第四部のテーマ”What have we learned?”の下に、このローズ・ベルタン(ルイ16世の王妃マリー・アントワネットに仕えたデザイナーらしい)の言葉が添えられているのがユーモラスである。

タイトルの”This time is different”「今回は違う」は勿論反語的に使われており、好景気の時でも今回のような未曾有の世界経済危機からの脱却の際でも「今回は(これまでとは)違う」という種々のもっともらしい理由が喧伝されるが、膨大なデータに基き過去数世紀に渡る世界の債務不履行や金融危機の歴史を紐解いてみると、「今回は違うシンドローム」の信憑性は疑わしく、世界経済の先行きを楽観するのは全く時期尚早であり、むしろデータから読み取れる「歴史は繰り返す」ということを充分に念頭においておく必要があると本書は警鐘している。

その例として、14章に纏めてある興味深い数字を幾つか紹介すると(対象期間は殆どが第二次世界大戦後の世界中の経済危機で一部戦前の大恐慌時のケースを含む。数字は経済危機発生前のピーク時と危機発生後の底値の差を示したもの)、
■住宅価格は平均すると6年間に渡り下落し平均下落率は▲35.5%
■株価下落は平均で3.4年間に渡り平均下落率は▲55.9%
■失業率は平均で4.8年間に及び平均上昇率は+7%

また、政府債務といえば、これ迄は、データの入手が極めて困難であるという事情もあってか、対外債務にのみ焦点が当てられることが多かったようであるが、著者達は世界各国の国内の債務状況に関するデータも整理したうえで、これらの影響は無視できないとしている。
非常に広範囲で長期に渡るデータを整理したうえでの実証研究であり読み応えがあると共に、膨大なデータから過去を検証して、そこから読み取れることをベースにした謙虚な提言の書である。