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スウェーデンののびのび教育

価格: ¥2,100
カテゴリ: 単行本
ブランド: 新評論
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目覚めた市民の手による教育 ★★★★★
 一読して、わが意を得たりとうれしかった。こんな学校で、親も子も安心して過ごしたい。
 筆者は自分の仕事のため、小学校高学年の娘を連れてスウェーデンで数年過ごすが、その間娘の学校生活を通して高い意識の教育の恩恵にあずかった。
 日本では、考えられない教師の質の高さ、生徒一人ひとりをフォローする仕組み、親と教師の信頼感に満ちた良好な関係。校長はすべての生徒一人ひとりに対して、自分が直接責任を持って対応し、絶えず教育的配慮が行き届いている。
 例えば、海外からの転入生ばかりでなくに、普通の通学生も、適切な担任、教科の選択、教化担任が選択されるが、学期の変わり目で面接懇談があり、生徒の個性に会わない場合は交代もしてもらえる。
 不登校についても述べられている。一日、いや半日欠席しただけで、すぐに校長から直接連絡が入り、「どうしましたか?学校に来られない原因は取り除きますから、すぐに登校を再開してください。」と、親も子も言われるそうだ。だから、ほとんど即解決し、長くて2日、3日で復帰可能。日本のように何週間も、いや何年も学校に行かれず親も子も悶々と苦しみ、人生のコースがねじ曲げられようなことは起こりえない。
 スウェーデンにはいい子ばかり、というわけではない。欧米ではドラッグや飲酒その他の問題が日本よりはるかに深刻に子供に世界に入り込んでいる。それでも、学校はその制度からして徹底して、一人ひとりの成長を支え、子供の側の立場に立ち、寄り添って社会に送り出していく。安心できる、親にしても信頼できる場所なのだ。国家予算も十分にあて、各自治体の単位の学校運営には、教育関係者をはじめその町の人々が私利私欲無く、純粋に子供の成長、将来の市民の誕生に責任を持ち、温かい目で支援を惜しまない。
 一方、トップダウンの組織の中でふらふらと生き残り上昇を狙う管理職、教育理念など持たないほうが上手くやっていけるのが日本の教育界!日本では、結局は子供がのびのび出来ず、将来の国民を育てない。子供は消費者と一時期あがめられていた。が、現在経済格差は教育格差となり、勉強とは単に「学力」競争を意味する。5%の勝ち組と95%負け組みは、そのままエリート支配層と代替可能な生活保障無しの労働者集団に分かれていく、といううわさもあるが、本当かもしれないと危惧を抱く。
 生まれてきた命、子供を大切に育てたい。管理に従順な人間を理想像としてはならない。大人も子供も、すべての人は平等な権利、尊厳を持つことを、改めて今の日本の学校関係者に伝えたい。
 スウェーデンの教育は、今の日本のお手本となることははっきりしている。