二時間半に及ぶボリウッド大作
★★★★☆
いやあ、どんなものかと期待半分あきらめ半分でしたが、若干中だるみというか、脚本のひずみのようなもの(ちょっとイラッとします)がありましたが、素晴らしい出来栄えでした。
まず、とにかくヒロインの美しさ。この方インドのかたでしょうか、セクシーだし綺麗だし、何も言うことありません。
主人公もただのおっさんに見えながらも、時々挿入されるインディアンミュージカルでは、かなりかっこよくなってます。お話そのものはよくある駄目人間からヒーローへと変貌していく話ですが、笑いも感動も旨いこと散りばめられていたと思います。始めに記した脚本の難ですが、クリスペプラーの中途半端なのみたいな占い師の行動が正直無駄だった気がしてその分減点になりましたが、この長い時間飽きもせず、楽しく見ることができました。
大げさなCGやアクションも十分に許容範囲ですし、インド人主役のカンフー映画、堪能できると思いますよ。
次回作、ありそうだけど、期待します。勿論ヒロインは今回の方かそれ以上の美人さんで絶対お願いしたいです。
後半は期待していい!
★★★★☆
ラジニカーントほどの脂っぽさはないものの、侮れないのが主演のアクシャイ・クマール。既に100本以上の出演作品があるという大スターらしいが、前半の情けなく頼りない姿から後半のたくましくカッコいい姿への豹変ぶりはさすが。カンフーもそれなりにサマになっているし、何しろ雰囲気がある。また、一人二役を演じているヒロインのディーピカー・パードゥコーンも魅力的。サキを演じているときはいかにもインド映画のヒロインなのだが、ミャオミャオを演じているときはクールビューティ。個人的には後者がより好みなのだが、同一人物とは思えない演じ分けで、一粒で二度美味しいといったところ。さらに悪の親玉である日本人(?)北条を演じたのもゴードン・リュウ(リュー・チャーフィ)だったからこそ、うさんくさいカンフー映画にならずに済んだといえる。
お調子者が強くなって悪の親玉を倒すという展開は、「ゴールデンチャイルド」のエディ・マーフィーを思い出させるが、伏線もしっかり張られていて期待以上に楽しめた。シドゥが料理人であることやサキが中国に本社を置くエレクトロニクス企業のキャンペーンモデルであるという設定も後半でしっかり活かされている。
ただし、インド映画の特徴はいきなり踊り出すことと上映時間が長いこと。歌詞でストーリーを展開させるという側面もあるが、いきなり大群舞を始めるので初めて見る人は面食らってしまう。そのうちにあのインド独特のリズムが耳をついて離れなくなるのだが、それもまた作品を長引かせる一因。比較的テンポのいいこの作品でも本編は150分もあり、特に前半はやや締まりがない印象を受けるかも知れない。しかし、最初の1時間を乗り切れば後半の1時間半は一気に盛り上がっていく。まずはだまされたと思って1時間は我慢して見てほしい。後半、大群舞がないのが寂しい気がしてくるに違いない。
インド映画の入門にも最適かも。
★★★★★
日本に入ってくるインド映画はどれも面白いもので厳選されていると聞きますが、これもしっかり面白い!
まぁハリウッドがらみっぽくマサラ風味はかなり控えめで、お約束のダンスシーンももうしわけ程度なので
こってりインド映画ファンには物足りないかも知れませんが、でもやっぱりインターナショナル的にはこんなバランスでしょうねぇ。時間もちょっぴりコンパクト。その分、80年代の香港映画の雰囲気といかしたバトルシーンをたっぷり注入した無国籍感満点の楽しい傑作になってます。そしてこれもインド映画のお約束の、おねえちゃんもやっぱり綺麗!だし、ロマンスあり、家族愛あり、師弟愛ありでお得感も満点。といってもこれもまたインド映画らしく演出なんかはだら〜とてしてるんですけどね。高い木の上での修行のシーンがあっても、まったく高さを感じさせる撮り方をしてないとか、話のキーにもなってるじゃがいもがいつまでもつるつるの新鮮だったりとか適当は適当です。でもそこがまたインド映画のおおらかさで憎めないですよね〜。