あっぱれ!日本人の手になる本格的なホームズ事典
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ホームズに関する事典という企画は、何も本書が初めてなわけではなく、日本語で読めるものだけでもこの他に何種類かはあるはずであるが、そのほとんどが翻訳か、事典というにはやや不満の残る小ぶりな内容のものであることが多かった。その点本書は、日本人の手になる本格的な規模の大事典として、ホームズファンにとってはたまらないものといえよう。いわゆる、「ホームズ学」が好きな人はもちろんのこと、イギリス文化・英文学・西洋史などに興味のある人にとっても、充分に有益な内容が盛り込まれている。価格も、書籍としては決して廉価とはいえないとしても、内容の豊富さや装丁の豪華さから考えれば、むしろよくこの価格でできたものだといってよかろう。私は本書を購入して以来、毎晩寝る前にベッドの中でいくつかの項目を読みながらうとうとするのが楽しみになっている。ただ、敢えて改良の余地を指摘するとすれば、このような内容ならば必ずしも五十音順の形式にせずとも、項目別や作品別の編集にすることも考えられたのではなかろうか。せっかく立派な索引もついているのだから。
ここまでやるか!
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よくぞここまでやってくれた、という本。日本人は何をやっても真面目で卒がないねえ。これ、英語に訳したら欧米のホームズ愛好家は椅子から転げ落ちるぞ。
オタクの神髄ここにあり
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広辞苑もタジタジとなる分厚さ。ひとつのフィクションでこれだけ語ることがあるのか。筆者だけの主観で書いている内容もあれば、誰が読んでも納得いくように書いてある内容もある。具体的に表記したいが字数がないのが残念。ハリー・ポッターもスターウォーズもスタートレックもその他のフィクションもこのくらいのページと内容で事典をつくったほうがよい。オタクは悪い意味で使われることが多い言葉だが、オタクが世界を深く、広くすることもあると思う。必読(金があれば)。