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うつ、その深き淵より―ある精神科医の闘病記録

価格: ¥2,520
カテゴリ: 単行本
ブランド: 創元社
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   高名なオランダの精神科医が、引退と体調の悪化を契機に、激しい妄想を伴う重症のうつ病患者になってしまった。地獄のような苦しみをなめながら、ほとんど奇跡的に回復した後に執筆されたのがこの闘病記だ。

   人生も半ばを過ぎればだれでも失ったものがあり、傷つけてきた人々がいる。人生の節目に、あるいは心身の変調を契機に、それらを振り返って後悔や罪悪感にさいなまれることもあるだろう。そんなとき、精神が危うい一線を越えてしまうことがある。著者もそのひとりだった。 精神科医として、またうつ病患者として、その危機をどのように乗り越えたのか。

   的確な症例記録に加え、心の動きや自然の移ろいが、文学的なみずみずしい表現で描写されている。この感受性こそが底知れない深淵をさ迷わせ、また同時にこの人を救ったのだということが感じられる。

   治療法の転換後、徐々に症状が快方に向かいつつあるころ、セラピーで、ある音楽を聴く。この描写は実に感動的であり、この一節を読むだけでも価値がある。

もう何年も忘れていた感情が表に出てきて、思わず涙が頬を伝わり言葉にならない。(中略)寒々とした暗がりが光と温かさに消され、春の風が凍った斜面を吹き渡るように感じ、私はたとえようのないほどの、限りなくしあわせな気分に浸っていた。長い沈黙を破り、私はこぶしで涙を拭きつつ、とぎれとぎれに語った。「私が感じたのは…、その…つまり、人生にこうした苦く恐ろしい悲惨さがついてまわるにしても、…やはり生きていくだけの価値があるということ…」。そこで彼女は言った。「あなたはもう健康なのです。私には断言できます。あと2、3週間たてば、あなたはここにいなくなるでしょう」
(小野ヒデコ)
尊敬に値する本です。 ★★★★★
アマゾンで調べる限り、精神科医がうつ病であることを告白をした本は、この本と泉基樹氏の「精神科医がうつ病になった」と「うつ病を体験した精神科医の処方箋」の三冊だけ。どれも精神科医でなければ書けない内容の深い闘病樹です。これを心にしみ付けてから、山ほど出ている知識を与えるためのうつ病の本を読めば、知識が深まり偏見も消えゆくと思います。僕自身読みあさり始めたばかりで偉そうなことは言えませんが、知識の方では大野裕先生の本が一番だと思います。まとまらなくなりましたが、この4冊の本は消してはいけないし、うつで苦しんでいる方、周辺でサポートに苦しんでいる方、うつ病が出来ない方に是非お勧めです
ミイラ取りがミイラ? ★★★★☆
身の回りにうつ患者が居ない人はいない!のでは??というくらいうつ病が、蔓延している今の日本・・・現実私の夫も1年半ほど、うつと戦っています!うつ患者の家族として手にしたこの本は、オランダと日本のうつ医療のあり方の違いを、また治療者が一転、患者として過ごさなければならないという皮肉な現実がよりリアリティーを感じさせてくれる本でした!