On Every Street
価格: ¥1,254
エンヤの最初の世界的ヒット作『Watermark』は彼女がシンガーやソングライターと言うより、音の職人に近いことを裏づけた。その音楽は、クラシック音楽の訓練を受けたピアニストであるエンヤと、プロデューサーのニッキー・ライアンと、詩人のローマ・ライアンとの共同作業により産みだされる。大聖堂の円蓋のごとく荘厳な音、まばゆいピアノ音ときらめくシンセサイザーのオーケストレーション、そして何にもまして、各ナンバーにおいて無限に重なり合うボーカルのハーモニーがエンヤの音楽を形作っている。
本作は、1991年リリースの叙事詩的でロマンチックこの上ないケルト音楽のポップアルバムである。前作と同じく幻想的に波打つ静謐(せいひつ)な響きを聴かせるだけでなく、ケルト音楽やラテン音楽まで手を伸ばし、穏やかなテンポに乗ったセンチメンタルなメロディと溶け合わせている。そして、どのナンバーも魅力にあふれている。流行しか追わない者はあざ笑うだろうが、「Caribbean Blue」は偶然の産物などではない。この本作でもっとも有名になったナンバーは、モダンロック・チャート、トップ40チャート、アダルトオルタネイティブ・チャート、一般のラジオのエアプレイリストにまで進出を果たした。(Sam Sutherland, Amazon.com)