ポターの資料集としても一級ですが、女性へのプレゼントにも!
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ピーターラビットのファンは勿論のこと、作者ポターやビクトリア時代に関心のある方、映画「ミス・ポター」のファンにも至福の一冊です。
ポターが自分の日記の中に、気に入りのデッサンや手紙をファイルしていたという設定で、貴重な資料がふんだんに、仕掛け絵本のように綴じ込まれています。
例えば「アルバム」。2頁目と3頁目の間に挟み込まれていて、少女時代のポターや家族の写真が数葉、ポター自身の添え書きと共に、実際にパラパラとめくれるようになっています。
またピーターラビットのお話しのきっかけとなった手紙。これはポターの家庭教師であったムーア夫人の息子ノエルが病床にあった時、ポターが手紙の代わりにピーターラビットの話を挿し絵と共に送ったものですが、そのノエル宛の封筒が貼り付けられていて、中から実物の手紙のコピーが取り出せるようになっていて感激しました。
他にも絵本の印刷見本や手書きの湖水地方の地図、製品化されたクリスマスカード等々、資料の充実ぶりには目を見張るばかり!
内々に婚約していたノーマン・ウォーンが突然の病気で亡くなった時の会葬のカードまで綴じ込まれていたのは驚きでした。
さらに本書の裏表紙には、ポターが自費出版した'' The Tale of PETER RABBIT'' の本のレプリカが一冊まるまる嵌めこまれていて、取り出して読むことができます。
4〜8歳向けとなっていますが、とんでもない!大人が堪能できます。ポター研究のオリエンテーションとして充分使える気がしますが、それよりプレゼントに喜ばれそう。本当に気の利いた一冊です。