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ハルシオン・デイズ

価格: ¥1,680
カテゴリ: 単行本
ブランド: 白水社
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【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:鴻上尚史/著 出版社名:白水社 発行年月:2004年11月 関連キーワード:ハルシオン デイズ はるしおん でいず、 ハクスイシヤ ハクスイシヤ 6911 はくすいしや はくすいしや 6911、 ハクスイシヤ ハクスイシヤ 6911 はくすいしや はくすいしや 6911 インターネットの自殺系サイトで知り合った3人の男女が、「平穏無事な日々」を求めるあまり、妄想にとりつかれてゆく-。名作『トランス』のテーマを引き継ぐ。
センス ★★★★☆
四人用台本です。男3人、女1人。
登場人物は…誠実な男、原田雅之。カウンセラー、谷川和美。陽気なオカマ、
橋本哲造。そして、平山明生(これはやや説明し難い)。

私も過去に鴻上さんの作品に触れたことはあります。
しかし今回は、鴻上さんがどの
ような人物だろうとか、鴻上さんが過去にどのような素晴らしい作品を作っ
てらっしゃるとか、そんなことは、この際抜きにしたいです。

作品の中で最も優れていると思うのは、やはり「セリフ」です。
かなり最近の作品という事もあるのでしょう。ギャグは今の若い人のハートを
ぐっとつかむような物ばかりです。確かに俗っぽいところも見られますが、
それがまた良く、テンポ・タイミングはもちろん、「ボケ」「ツッコミ」等は
相当ウケると思います。「死生」というのもテーマの一つでしょうし…。
それに、舞台設置もシンプル。(演出によって異なるでしょうが)
ですから、大学生(高校生)の方にぜひ上演をおすすめしたいです。
学生はノリが命。「やって良かった」と思い出になること間違いなし。
(もちろん、25歳〜40歳、45歳?くらいの方々が適齢だとは思います。)

なにより、この台本は、演技をしている方も、お客さんも、絶対楽しめます!
このことは本当に大切な事だと私は思っています。
おもしろいものはおもしろい。
それが文学的にどう批判されようと。
ライターとしての枯渇か...? ★★☆☆☆
著者の舞台、戯曲には20年程親しんでいる。実際観劇した「朝日のような夕日をつれて」「ハッシャバイ」らは舞台作品として秀逸だったのは言うまでもなく、その戯曲は読むための文学としても凡百の純文学を凌駕した優れた洞察と素晴らしい完成度を誇っていた。それは「トランス」「スナフキンの手紙」にも言えた。本作も舞台観劇が先でその後の読書となったのだが、如何せん作品の立体感、テーマの重層性、そしてアイディアの弱さが目につき、観劇時の印象同様、鴻上もかなり苦境に立ってると思わざるを得ない。様々な風俗や事象をコラージュしその中に炙りだされる「現在」を縦横に使いこなす手法は決して、決して卑下されるものでなく、その作劇術において鴻上の実力は圧倒的だったのは事実だ。しかし、いくら「演劇は戯曲を膨らましてゆく媒体」とは言え、基礎アイディアの枯渇が限度を超えれば、おのずと演劇の完成度にも限界が来る。鴻上も50歳に近い。今後一体どのような切り口で過去の業績を乗り越えられるのか。そこを深く意識されられた一作だった。
鴻上尚史はどこへ行くのか? ★★★☆☆
鴻上尚史は作家・演出家なのではなく、編集者であるという評論がかつてあった。
いわゆる旬なものをいいとこ取りしたような舞台で軽やかに時代を走っていたのが、第三舞台であり、鴻上であった。

けれど、世の中が10年前とは比べられないくらい情報化してくると、どれがオリジナルなのかがわからなくなってくる。
ここで見たものが、実は他の場所のそれの再編集であったなんていうのはよくある話で、何もかもがどこかで見たような、聞いたようなものになってくる。
そんな時代において、いわゆる編集者の限界というのが見えているのかもしれないと、近年鴻上を見ると思う。

「ネット心中」に「カウンセラー」と「ホモセクシャル」に「妄想」という鴻上の殺し文句(?)がふんだんに取り入れられたわりには、中身がない。
鴻上の芝居にとっては、一番大切な物語の核を「泣いた赤鬼」という既成の物語を引用することで誤魔化している。

もっと新しい鴻上尚史を読みたい。