けれど、世の中が10年前とは比べられないくらい情報化してくると、どれがオリジナルなのかがわからなくなってくる。
ここで見たものが、実は他の場所のそれの再編集であったなんていうのはよくある話で、何もかもがどこかで見たような、聞いたようなものになってくる。
そんな時代において、いわゆる編集者の限界というのが見えているのかもしれないと、近年鴻上を見ると思う。
「ネット心中」に「カウンセラー」と「ホモセクシャル」に「妄想」という鴻上の殺し文句(?)がふんだんに取り入れられたわりには、中身がない。
鴻上の芝居にとっては、一番大切な物語の核を「泣いた赤鬼」という既成の物語を引用することで誤魔化している。
もっと新しい鴻上尚史を読みたい。