史記は列伝にあり、と良く言うけど本紀や世家も充分楽しいです。
東周時代を題材にしたものを読むなら、
どの姓の一族はどの聖王(賢人)の末裔なのか知っていた方が楽しめるし
西周くらいまでは神話のようなものなので、気楽に読めるでしょう。
それでいて、周の興業のとき、譜代の功臣は燕や斉とかの遠方に配されたこととかから、そこはかとないリアリティを
感じるのもおもしろいです。
列伝に比べて古代中国の封建制がどんなものなのか、当時の
(もしかすると漢代のかもしれないけど)常識や信条についても
細かく述べてありとくに東周期を知る上での基礎知識を養うこともできます。
秦漢期については、これは楽しむためにあるようなものです。項羽のくだりは本当に物語のようです。
これは列伝にも言えることですが、太史公曰く、で司馬遷の意見を
知ることができるのも良いです。
どこか厭世的な空気を感じるコメントが彼自身の人生を反映しているようで
史記自体が司馬遷という人物の人間性をよく伝えており
そこがまた興味深い点です。