西田佐知子のヒット曲の全て
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彼女の他の全曲集との違いは、1979年11月に発売されアルバムタイトルとなった「初めての街で」の2つのヴァージョンが収められているところでしょう。ご存じの菊正宗酒造のCMソングの原曲にあたります。ジェロがカヴァーしたことにより、再び脚光を浴びているので標題に持ってきたようです。サビの箇所は♪やっぱりオレは ひとりじゃーない♪と歌っています。
代表曲「アカシアの雨がやむとき」は名曲だと思います。彼女特有のけだるい雰囲気を持ったハスキーヴォイスは、当時の流行歌手にはない魅力がありました。イントロを聴くだけで歌い出しが出てきます。1960年当時の世相を反映したようなヒット曲でした。
橋本淳作詞、筒美京平作曲・編曲の「くれないホテル」は名曲だと言われていますが、レコード発売当時はあまり売れなかったそうです。セブンスのコード進行を使用し、少しジャジーなハーモニーがオシャレです。1969年当時の音楽シーンを考えますと、垢抜けていますし、彼女の声質に良く合っている曲です。
彼女はスタイルの良い美人歌手というイメージでした。歌も容姿も優れており、人気がでるのは当然でした。ここに収められている「コーヒー・ルンバ」も有名な曲です。「涙のかわくまで」なんて聴いていたら、いしだあゆみの先駆という感じです。雰囲気がピッタリですし、より情感が感じられます。
「エリカの花散るとき」「赤坂の夜は更けて」「東京ブルース」「女の意地」「涙のかわくまで」とヒットした曲も多いですね。1971年に関口宏と結婚した後、ほとんど表舞台には登場しませんが、却ってその方が「伝説」となって良かったと思います。