アイ・スパイ [DVD]
価格: ¥2,000
『リーサル・ウェポン』から『9デイズ』まで、凸凹コンビが活躍するアクションは量産され続けているが、本作の主人公はエディ・マーフィとオーウェン・ウィルソン。凸凹と言うよりも、“ボケ同士”のコンビが特徴だ。オリジナルは、ビル・コスビーが主演した1960年代のTVシリーズ。肉眼でもレーダーでもとらえられない、透明になる戦闘機がテロリストの手に渡ってしまい、国家保安局のエージェントと現役のボクシング・チャンピオンが、中央アジア、ヨーロッパ、アメリカを股にかけた奪還作戦を開始する。
エディ演じるボクサーのわがままぶりがストレートに笑わせる一方で、オーウェン演じるエージェントが、実力を出しきれない小心者というキャラで、苦笑と失笑を担当。さまざまなスパイグッズ(他人の視線を共有できる「スイッチ・アイ」など多数登場)が楽しめ、ハンガリーのブダペストでロケをしたというのが異色で、美しい街並みが見どころになっている。ファムケ・ヤンセン演じる女エージェントが、最後まで怪しく、主役2人を食う存在感。このあたりに女性監督ベティ・トーマスの思い入れが感じられる。(斉藤博昭)