歌っているだけでは世界は変わらない。やはりニールは愛すべき硬骨漢。
★★★★★
タイトルの「フォーク」とはfolkではなく、fork、つまり分岐点のこと。この「行く手にある分かれ道」が何を暗示しているのかは、各自英語歌詞と日本語訳とで考えてほしい。サウンド的にはリヴィング・ウィズ・ウォーを彷彿とさせるエレクトリック路線で、スローな曲はM7、9だけ。アコギが聴けるのはそのうちM9のみ。M1からM6までほとんど切れ目を感じさせずに高いテンションを持続して一気に聴かせるのはさすが。
本作はアルバム全体をトータルに捉えるべきで、ガソリン大量消費型自動車文明に厳しい眼を向けた作品と位置づけられるだろう。実際、車や道を歌った曲が多い。添付資料によればニールは最近リンカーン・コンチネンタルを400万円かけてガソリン車からバイオ・ディーゼル車に改造したとのこと。M4がこの改造のことを歌い、私は本作で一番気に入った。人によっては説教臭いと感じるかもしれないが、M3の「歌ってるだけじゃ世の中なんてかわりゃしない」というメッセージとともに、人々の意識をグリーン・ニューディールに向け、その先頭に立とうとするニールの愛すべき硬骨漢ぶりが発揮された作品として、また次々に作品を発表する意欲と質を落とさない創作力に敬意を表して、私は本作を星5個と評価する。
64歳だぞ
★★★★☆
社会の同世代のおやじ達みても「守る」と聞こえはいいが、死ぬまでいかにリスクを背負わないことしか考えていない連中ばかりにあって、N.Yは60年代のスタートから何も変わらず、未だに怒ったままだ!怒りの対象が変わっただけで基本は不動だ!09年の新譜が聴けるだけでも幸せだ!内容はこの際不謹慎だが関係無し(だってL.ReedやR.Davies他数名位しか買わねばという人いないもの)!願わくば87・01・03年の来日から、今年あたりもう一度
再会できぬものか?
怒っちゃった…
★★★★☆
ツアーでの手応えをそのままスタジオで録音したような勢いのある作品。
けれど初夏に予定されているボックスのせいで地味な存在になってしまった気もする可哀相なアルバム。
とはいえ、アルバム最後の曲でニールは怒ってます。
標的はおそらくiPodに代表されるMP3での音楽配信。
プロモではアップル社のiPodならぬ、果物のリンゴを手に持ちながら歌い、「音質は最低だぜ!」と歌う箇所でそのリンゴをかじって投げ捨ててしまいます…。
何より音質を大事にするニールだから、怒ってます。相当。
おっさんなのか?
★★★☆☆
うーん。
熱くなれないのはニールがおっさんだからなのか、聴いているこちらがおっさんになったからなのか?
2枚目のDVD、上のリストでは4曲のみ表記されていますが,そうではありません。
sound onlyではありますが、CD全曲分の、24bit 96kHzの音源(CDの256倍の解像度らしい)が入っています。
(こちらとしては、それよりも、SACD ハイブリッドにするか、ロスレスデータにしてくれた方がうれしいのだけれど。)
ニール・ヤング先生に☆3つはつけられません!
★★★★☆
ニール・ヤングの新作「Fork in the Road 」は何とも意外な作品である。
今回はハイブリッド・カーをテーマに制作されたらしいが、サウンドはオーセンティックなロック・アルバムに仕上がっている。アコースティックな曲は一曲だけで、なかなか激しい(?)バンド・サウンドで結構楽しめる内容には仕上がっている。
とは言うものの、おそらく「Fork in the Road 」の賛否は、大きく分かれるのではと考えてしまう。
どちらかというとアコースティックなヤング・サウンドが好みなので、率直なところ、今回の作品は少々聴くのがキツかった。コンセプト・アルバムと捉えて楽しめるリスナーには面白い作品と考えるが、まだまだ日本では少数派ではないだろうか。タイトルの通り、ニール・ヤングにとってもファンにとっても「分岐点」となる作品になりそうだ。