インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

狩人の夜 [DVD]

価格: ¥2,990
カテゴリ: DVD
ブランド: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
Amazon.co.jpで確認
だだひたすら映像を追っていたい美しいカルトB級フィルム ★★★★☆
オーソン・ウェルズ監督の『黒い罠』と並んで本国アメリカでもヨーロッパでも高い再評価を受けている奇妙なフィルムが『狩人の夜』です。イギリスの名優チャールズ・ロートンが生涯唯一度だけメガホンをとった作品としても知られています。そしてこれは非常にユニークな雰囲気作りに成功している好例でもあり、同時にこれだけの独自性を持ちながらそれに見合うほどのありあまるインパクトとまとまりをいま一つ持ち得なかった点でもユニークな作品です。

怪優ロートンが演出した作品らしく、独特の不思議で捻じ曲がった雰囲気を持つフィルム。ホラー、フィルムノワール、、コメディ、児童劇が複雑にブレンドされています。そこはなるほど、『ハリウェル・フィルム・ガイド』の「いままでにはない雰囲気作りに成功した作品」という批評通りの独自さがあります。“ロバート・ミッチャム扮する自己中心的な悪徳牧師の魔の手が、お宝を隠し通す子供たちに迫る!”こうしたプロットライン上の一つ一つのシーンも実験精神あふれる映像で極めて記憶に残る奇妙で面白みのあるもの。光が差し込む暗い部屋で月明かりに照らされながら凶行に及ぶ牧師、水の中を水草とゆらゆら揺れる死体の髪の毛、子供たちの小船による決死の逃避行、どれも悪夢のように幻想的で刺激的です。このあたり、悪徳牧師が夜な夜な「頼れ、頼れ」と反復する不気味な歌声と併せて妙に心に残ります。

しかしながら、こうしたシーンの数々のつなぎとめ方と進め方がいささか性急過ぎて粗雑な感じがしてしまうところが難点。もっとじっくりと展開させたほうがインパクトが出てくると思われるシーンがあるのにもかかわらず、それらがしばしばカットバックで邪魔され興ざめしてしまうところが多し。前半部分、悪徳牧師に狙われた家族のエピソードでは、お菓子屋の老夫婦の会話がところどころ乱暴に挿入されていたりして、一つ一つのシーンがじっくり描けていないような印象を受けます。もっと悪徳牧師がじんわりと家族を侵食していく恐怖感が描写されていたらフィルム全体にさらなる奥行きが付け加わったのではと思うのですが、そのあたりの演出がいささか淡白すぎて薄味になってしまっているのです。そんな編集力と演出の弱みが、前半と後半の雰囲気の著しい違いに表れてしまっているのも事実。前半はサスペンス、後半は児童劇と整合性のとれないアンバランスさが作品のインパクトを少し弱めてしまっていて残念だと思います。この点は本編の熱烈な信望者であるフランスの映画監督フランソワ・トリュフォーも「映画的文体の不統一」という言葉を用いてコメントしています。もっとも、それがこの映画の“新しさ、奇抜さ”であるといえばそれもまた正なり。しかし、さらに多くの場面の演出のタイミングがぎくしゃくして俳優の熱演が邪魔されているようなところも見受けられます。特に、後半でミッチャムの悪徳牧師がギッシュの家を訪れ、あろうことか彼女の目の前で目当ての子供たちを強引に捕らえようとして追い出されるシーンなどいささか素っ頓狂でタイミングをはずしているように見え、そのせいで迫力不足になってしまいインパクトに欠けてしまっています。

普段はリラックスした雰囲気をかもしだすロバート・ミッチャムも、かなり力の入った不気味な演技を見せます。まるで悪人であることを楽しんでいるかのようです。思えばこの人、『恐怖の岬』で見せた邪悪なキャラクターを演じると本当にうまい。ただ、この悪徳牧師が偽の涙を見せるシーンなどは少し演技が陳腐になってしまっていて、やはり演技の上の演技となるといささか技巧的には力量不足だったようです。くわえて、編集のせいなのか悪徳牧師の怖いキャラクターがいささか弱まってしまったのも残念。出演者のなかで一番の功労者といえば、やはり後半の立役者である孤児たちの老いた里親を演じたリリアン・ギッシュでしょう。小さな体から発せられる大物のオーラが子供たちを邪神から守ってくれるかのようです。彼女が出てくるだけで作品にしまりと格調が出てくるのが不思議。彼女に対しても悪徳牧師は邪悪で凶暴な力をもっと発揮してもらいたかったのですが・・・。

決して興行収入を狙ったわけではないB級フィルムだからこそできた果敢なチャレンジ。チャールズ・ロートンの彼らしいひねくれた映画作りが多くのファンを魅了したフィルムであることは間違いありません。そして事実、忘れることのできない奇妙なインパクトを持つ作品であることも疑いありません。しかし、個人的には全体としてもっとよく成り得たのではないかという気持ちが残ります。そんなわけで、その賛否も悪徳牧師の指に刻印された「LOVE」か「HATE」に別れることもまた事実であろうと思われます。(最も今は圧倒的にLOVEの意見が多いようですが)しかし以上の理由から、『狩人の夜』を大胆に失敗してしまった勇気ある実験作と言い表すこともたまには許されるのではないでしょうか。
うーむ、残念。 ★★★☆☆
この映画は、以前、NHKBS-2で見て感動し、非常に期待して予約しましたが、UMOZONさんもおっしゃっているように、スタンダード・サイズでないためか、はっきりいって画質が悪いです。ピントが合ってないような感じがしますが、他に買われた方はどうでしょう。NHKの放映を録画したビデオを所持していますが、米版を使用したのでしょうが、スタンダード・サイズで、あきらかに本DVDに比べ画質がいいです。せっかくの安価なDVD発売でしたが、見る気になれません。発売担当者の方は、画質の比較調査を行っていないのでしょうか?紀伊国屋版も同じということですし、カルトな名画でもありますので、20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパンには、スタンダード・サイズでの再発を一考されたいと思います。
必見ですが、スタンダードサイズ版ではない ★★★★★
作品自体は言うまでもなく傑作です。未見の方や、ビデオでしか見たことがないなんて人は買って絶対に損はないと思います。しかしこれは紀伊国屋から出ていた盤と同じく上下トリミングしてあるワイドスクリーン版ですので、その点はとても残念です(アメリカでMGMが出しているのは1:1.33のスタンダードサイズで、こちらが本来の形)。廃盤になって久しい紀伊国屋書店版を持っている方は改めて買う必要はないかもしれませんね。
"恐怖"と"メルヘン"が融合するアバンギャルドなスリラーの傑作。 ★★★★★
「情婦」の弁護人役でミステリー映画ファンにはお馴染みの名優チャールズ・ロートンの唯一の監督作。強烈な白と黒のコントラストから浮き上がる薄気味悪くてナイトメアな恐怖、それでいて牧歌的でメルヘンチックなムードが融合する奇妙な世界。一度観たら忘れられない異様なイメージを放つカルト作(事実、今でも幾つかのシーンをはっきり思い出す事が出来る)。ひとくちで言うと、アバンギャルドなスリラー映画で、ダニー・ピアリーの名著「カルト・ムービー・クラシックス」でも、「博士の異常な愛情」や「ブルー・ベルベット」らと肩を並べて、しっかり紹介されている。
物語の出だしは、ざっとこんな感じだ。アメリカのオハイオの片田舎町に住む母とふたりの子供たちの元に、ある日伝道師が訪ねてくる。片側の指に"LOVE"、もう片側の指に"HATE"の刺青をした不気味なこの男は、家族と町に溶け込み、女性と結婚するが、男の目的は、ある事情で知りえた大金を奪う事、しかも、男は女性そのものを蔑視するサイコ・キラーだった、、、。
ロバート・ミッチャムが大層怖い。この人はタフガイ・スターで有名だが、今作と「恐怖の岬」、そして「さらば愛しき女よ」とノワール・サスペンス映画で傑作が多い。そして、往年の名女優リリアン・ギッシュの意外な役回りと見事な名演。子供たちの恐怖の演技を含め、映像技巧のみならず、これは俳優たちを観る映画。廉価化を機にじっくり楽しみたい。
なお、これだけの傑作を撮りながら、生涯この1本しか作品を残さなかったロートン、それは何故か?早過ぎたその実験性が不評だった事もあるが、ミッチャムによると、次作準備前に亡くなってしまったから、だそうである。