地球という水の惑星が見えてくる
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この本は、地球の環境がどのようなメカニズムで構築されているかをわかりやすく解説した教科書です。一般に、地球環境を取り扱う気象学や海洋学では、複雑な数式を多用して流体力学を解き、概観する学問体系になっています。この本では、それら(気象学や海洋学)を取り上げてはいるものの、ほとんど数式が現れずに平易な英語で解説されています。また、カラーを多用した図や写真は、きわめて効果的に理解を助けてくれます。文系や理系の他分野の人でも抵抗なく読める教科書だと思います。
2004年に修正され、再版されたこの第二版(2001年に出版)は、6章構成になっています:1.はじめに;2.大気と海洋;3.海流;4.北大西洋循環:観測と理論;5.その他の主要海流系;6.地球規模の流れと深層海流。
気象や海洋の成り立ちを概観する上で大変わかりやすい一冊です。入門書という性質上、専門家が書斎に飾る本ではないでしょうが、大学の教養課程の教科書としては、ベストチョイスになると思います。