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Blood Bank (Blood Ties)

価格: ¥681
カテゴリ: マスマーケット
ブランド: DAW
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ブラッド・シリーズ最終巻 ★★★★★
TV放送がきっかけで読み始めたこのシリーズですが、読み進むうちに、ヴィッキーをはじめとする魅力的なキャラクターたち(最高にキュートな人狼たちも含めて)が織りなす物語の数々に、すっかり魅了され、その虜になってしまっていました。著者が言っているように、「これでホントに終わり。この先はありえない。」のが本当に残念です。
さて、本作は短編集。タイムライン的には、ほぼ、ヴィッキーが「変わった」後のエピソードが語られています。それから、ヘンリーの過去にまつわる物語も・・・
どれも珠玉の一編と言えるものばかりなのですが、お薦めは、「So This is Christmas」。
ヴィッキーという人は、結構へそ曲がりなところがある人ですが、クリスマスをマイクの家族と過ごすかどうかで、例の如くへそをまげてしまうのです。釈然としない気分のまま、眠りについたヴィッキーは、ヴァンパイアなら見ないはずの夢をみてしまい、しかも、その夢は、ディケンズの「クリスマス・キャロル」そのまんま・・・3人のゴーストの一人がチューダー時代の王子様の格好のヘンリーだったりして、思わず含み笑いしてしまいます。ヴィッキー=スクルージは、はたして「改心」するのでしょうか?
 19世紀の英国にいた頃のヘンリーを描いた「What Manner Of Men」も、ヴァンパイア物のファンには、にやりとする部分が多く、楽しめます。
 TVシリーズのファンには、巻末に収録されている、作者自身による前説付きの「Stone Cold」の脚本が感涙ものです。DVDが発売されたら、読みながら観てくださいね。
 Tanya の作品は、怪奇な事件を扱いつつも、いつもどこかにユーモアやウイットの存在の余地があって、それが独自の魅力になっています。「ブラッド・シリーズ」はこれで打ち止めですけど、是非、彼女の他の作品も読んでみてください。