業績管理責任者には必読の一冊!星10個の価値あり
★★★★★
1965年出版の本の翻訳本が何故40年後の今出たのかについては「監訳者はしがき」を読んでください。本書を「現代においても全くその輝きを失っていない」という指摘に間違いはありません。事業部制を採用している会社の事業部の責任者や経理責任者、あるいは子会社の責任者やその経理責任者の方々には必読の一冊だと思います。
著者は第一章「事業部制組織」から第八章「非財務的な業績測定尺度」まで、事業部の業績測定に係る様々な問題を論じています。例えば業績尺度はどうあるべきか、事業部間の振替価格の算定方法、業績尺度としての投資利益率、予算統制など現在でも通用する問題が盛りだくさんです。巻末に本研究に参加した会社と参加者(多くはコントロ-ラ-。現在ならCFOの肩書きでしょう)名が記載されていますが、著者が論じた内容が具体的である理由が頷けます。管理会計は企業内部での意思決定や業績評価につながるものなので、その実態は表に出にくいものです。そのような意味で産学協同で生み出された本書のような存在は大変貴重だと思います。具体的ですから、即使えます。勿論内容の古い点は応用を利かせれば済むことです。
最後に本書の宣伝文句「バランスト・スコアカ-ドはここから始まった」に一言。関連する箇所は第八章だけです。読者に誤解を与えるのではと思いますが?(+翻訳ご苦労様です。大変でしたね)