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富士山大噴火が迫っている! ‾最新科学が明かす噴火シナリオと災害規模‾ (知りたい!サイエンス)

価格: ¥1,659
カテゴリ: 単行本(ソフトカバー)
ブランド: 技術評論社
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活火山である富士山の総合的な解説本 ★★★★☆
機上からの富士山の眺望に幾度も神秘性を感じましたが、その富士山が日本に108ある活火山の一つだと本書を読むまで知りませんでした。富士山を例として活火山と如何に上手く共生すれば良いかを分かりやすく総合的に解説した、火山の知識を余り持たない方向けの良書だと思います。

以下のような特色があり、富士山近郊にお住まいの方は特に参考になると思います。

0.火山のメカニズムの解説
1.富士山のハザードマップ(カラー、2004年6月完成)
2.5段階に分けた火山としての富士山の歴史
3.過去3200年の2大噴火である、864年の貞観噴火、1707年の宝永噴火を更級日記等を踏まえて紹介
4.富士山の火山活動による被災額の想定=2兆4,000億円(阪神・淡路大震災の1/4)
5.日本に108ある活火山のリスト(30以上の火山のハザードマップが作成されている)
6.火山灰の危険性の解説及び、噴火シナリオ、避難計画、及び防災設計、シナリオ訓練、シナリオシミュレーションの重要性の説明


富士山の噴火をめぐる物語 ★★★★☆
富士山は活火山である。そして、著者によると、今の富士山の状態は、寝ている人がちょうど「寝返りをうった状態」ということだ。

日本をよく知らない外国人であっても、Mt. Fuji はたいてい知っている。日本人にとっては桜と並んで日本を象徴する存在でもあるので、登ったり写真を撮ったりしたことのある人も多いだろう。しかし、科学的な視点から富士山について詳しく知っている人は意外に少ないのではないだろうか。本書は、噴火という視点から富士山の歴史と現状を分かりやすく解説している。図やグラフも豊富である。

火山全般についての基本的な知識と解説及び富士山の特徴、現在の富士山の下には古い富士が埋まっていることや山体崩壊を起こして大きく形が変わったことがあること、現在の富士山の形になったのは比較的新しい時代であること、記録に残っている噴火の歴史と被害の紹介、富士五湖が今のようになった経緯、もし噴火があった場合の経済的な損失、ハザードマップや防災計画について、現在の富士山の活動の様子について紹介している。被害の可能性を考えると噴火は無い方がよいのはもちろんだが、一方で噴火がないままだと、富士山の形は年月を経るに従って崩れてしまうそうである。

個人的には、いつ来るかわからない富士山の噴火のような災害に対して、いたずらに危機感をあおるだけのやり方では災害に対する備えとして十分とはいえないという著者の考え方にはうなずけるものがあった。