一般向けの概説書ではない
★★★☆☆
評価が高かったので注文しましたが、商品が来てざっと見て正直がっかりしました。
英語リーディングの授業ですぐに使えるようなことがわかりやすく紹介されていない、というのはこの本の趣旨ではないので仕方ないとしても、タイトル通りの「英語リーディングの科学」の概説書としても、全体の見取り図が示されるわけでもなく、論じられているテーマの選択はほとんど恣意的としか思えず、あまり啓蒙されるところがありません。それはひとつには、この本が本質的には、大学の先生が自分の元学生たちを集めて業績を稼がせるために出版した本だからでしょう。そうではなくて「英語リーディングの科学」の各分野の最高の専門家を集めて、全体の概観をつかませてくれるような本を期待していたのですが、これは完全に当てが外れました。
編者のまとめ役の先生が「故郷の母親にもわかるように」説明するという方針を出したと書いてありますが、言うのは易し行うは難しということばどおり、これは完全に努力目標であって、実際の中身にはほとんど反映されていません。基本的には英語教育の研究者向けの論文の寄せ集めと考えるのが無難だと思います。
リーディング研究の一助となる本
★★★★★
この本は、「故郷の母親にもわかるように」ということを心に留めて書かれただけあり、非常に理解しやすく書かれている。日本の研究者たちが、国内外の第二言語習得や英語教育の最新の研究論文を多く引用し、単なる著者の仮説で終わっていないところにこの本の良さを感じた。巻末の約20ページにわたる参考文献だけをとってもリーディング研究に関心のある人にとって有益な本だろう。
リーディング理論の概説書
★★★★★
浦島太郎の話を「亀を助けた浦島太郎はおじいさんになってしまいました」と要約したコマーシャルを見て何故おかしいと感じるのか、小説の先の展開が読めてくるのはなぜか、というような身近な例を出し、それがリーディング理論でどのように説明できるかを語っているので分かりやすい。教室ですぐに使える実践についてはあまり書かれていないが、理論の概説書として読むには良い。
イントロダクションが面白い
★★★★★
それぞれの章にイントロダクションがついているので面白そうな箇所から読めました。難しい用語も入っているけれど、簡単な説明がついていたので分かりやすかったと思います。英文読解のテクニックを学びたい人よりは、基本的な理論とか指導法を勉強したい人を対象とした本かもしれません。
英語リーディングの理論と実践をつなぐ一冊
★★★★★
英語リーディングの効果的な指導のためには、理論的な裏づけのある指導を、教師が生徒の現状に応じて実践に移すことが必要である。本書は、最新のリーディング理論を、教育現場における実践を念頭に置きながら解説している。英語リーディングの理論と実践の架け橋としての役割を果たしてくれる一冊と言える。リーディングについて「なんとなく」わかっている気がするが、理論的に「なっとく」して、授業に臨みたいと考えている先生方にお勧めである。