この本では、まず日本の経済の現状をきちんと説明した上で、過去、日銀や政府がこのデフレに対してどのように対処してきたか、またその効果はどうだったかを詳細に批判的に分析しています。しかし、その中で統一的に述べられているのは、量的に貨幣を増やしても効き目はなく、デフレの解決のは賃金の増大が不可欠だとしています。 しかし、その賃金をどのように増やせばいいのかという話は、具体的ではないようで、その点は学者として立場での意見にとどまっているように思います。まあ、この辺は、政治家や政策担当する政府職員の役目なんでしょうが、難しいですよね。でもデフレはお金をただ単に溢れさせても効果は薄いという視点は納得できます。