写本を彩色するという古代の技術が今や美術家や美術の学生、書道愛好家の間で新たな人気を呼んでいる。本書は、そういった人たちなら是非蔵書に加えたいと思うような一冊だ。12の彩色アルファベットの再現の仕方を、段階を追って解説している。紹介されているのはケルト、サクソン、ゴシック、ロマネスク、モダンリバイバル、それに現代風筆記体をいくつか含む7種類である。詳細な図解により、大文字、小文字の書き方、それに縁取りや装飾のデザイン法も学べる。さらに上を目指す学生には、元々中世ヨーロッパの僧院で行われていたような金箔の仕方を明快に説明している。本書には彩色の歴史、必要な用具、手法、彩色の材料、レイアウトやデザインの指示、12種のアルファベット文字を作る手順が紹介されている。この美麗本は、歴史上、あるいは現代の彩色文字の画廊を掲載しており、用語集と索引もついている。全400点以上の感動を呼ぶイラスト付き。