愛らしいセキセイインコのリアルな描写に共感
★★★★★
セキセイインコの“ぴっぴらさん”とキミ子さんの、お馴染みほのぼのギャグコンビに、親友の“ジャンボ”とかつみさん、新たに加わったカナリヤの“かな子さん”とちょっぴり気になる男性のツナさん・・・。
何気ない日常も、小鳥が1羽2羽と絡んでくるだけで、とても満ち足りた世界になる。インコに限らず、小鳥が友達というひとなら、自分の日常そのものだと実感できるだろう。
この第2巻は、赤と黒の2色刷りになっている。だがじつを言うと、赤という色は、大型のオウムやボタン、コザクラといった中型のインコにはよく似合うが、セキセイにはあまり縁がない。全身白色のアルビノーや全身黄色のルチノーという種に、赤目が特徴の個体がある程度だ。でもそこはよくしたもので、カナリヤの“かな子さん”が、カロチンで“色揚げ”をしたのだろうか、赤い羽色をしていて、じつに印象的だし効果的だ。
あとがきを読むと、この漫画に描かれた話はほとんど全て、作者・こうの氏が実際にセキセイインコを飼い、またカナリヤに巡り逢ったからこその実話であるそうだ。親近感溢れるリアリティーを感じ取れるのも当然、と言うより、実際に付き合ってみないとインコの特徴や習性は絶対にわかりっこないのだから、よくぞこの体験を漫画の形で記録に留めてくれた、と感謝したい。
まぁ、少なくともセキセイインコの仕草や振る舞いは、その全てがギャグになるほど面白く、どれだけ眺めていてもいつまでも見飽きないのだけれど。
さてさて、最終回で、ありきたりと言えば言えるし、そうくるかと言えばそれもアリだと納得できるオチがついたが、その後の“ぴっぴらさん”と“かな子さん”、もとい、キミちゃんとツナさんはどうなったものやら・・・?