1965年にサンドール・ストダード・ウォーバーグによって書かれた『I Like You』は、今もなお親友への贈り物に格好の絵本だ。ただし、ここでいう親友とは、月並みの親友のことではない。あなたがグランド・セントラル駅で迷子になったときに、大声で叫んでくれたり、おぼれたふりをしているときに、助けるふりをしてくれるような親友のことだ。ウォーバーグはこんなふうに著している。「あなたはおばかなことができる人/だからあなたが好きなのよ/ほんとうに、あなたって、なんておかしいの/私よりひどいおばかさんは、あなたが初めてよ」
『I Like You』はシンプルでしゃれっ気たっぷりの本だ。モーリス・センダック調の楽しいペン画が、ダンスをしているワニや、生き生きとした子どもたち、うきうき気分や日常の茶番を、ところ狭しと描きだす。「どんなにあなたのことを好きなのか?」の問いに対する新しい答えを、ひとつひとつ挙げていくことがあるとしたら、本書が大いに役立つだろう。