坂本真綾が菅野よう子女史とタッグを組んだ（今のとこ）最後のアルバムであり、何枚もある真綾ちゃんのアルバムの中では最高の完成度と思われ。
それまでキレイな声で上手だが、どこか通り一遍な歌い手だと思っていた彼女が、「ひと皮むけたな〜」「成長したな〜」「スゴイなぁ〜」と改めて思わせてくれた１枚。歌い方も、技術的にも。
１曲目の「うちゅうひこうしのうた」（NHKみんなのうた）は何とも優しくやわらかく歌っているのに対して、２曲目「ソラヲミロ」のガラリと変えた叩きつけるのような激しさ。また、この曲では音幅の広い難曲に挑んでいる。
このアルバムを発表したのは、ちょうどミュージカル「レ･ミゼラブル」のエポニーヌ役を射止めた時期であり、彼女の意欲溢れる、時に好戦的な感じの作詞も印象に残る。
ほかにも、「光あれ」では、前向きでひたむきなメロディと歌詞、コロコロと変わる難解なリズムを歌いこなす技量に感服。
「KINGFISHER GIRL」は、今までに無く深い発声と大人びた歌い方で、成長を感じさせる。
また、「０３」では、水に溶け込むような美しいメロディと高音の歌声で酔わせてくれる。

さすが菅野女史というべきか、実にバラエティーに富んだ楽曲ばかりで、しかもそれをどれも歌いこなしてしまう真綾ちゃん。
密度の濃い、脱帽の１枚です。