これはいい。
★★★★★
いやあ、これはいい。こんなにいいとは思わなかった。
チャカがジャズアルバムを出していることは知っていたが、正直、あまり聴く気にならなかった。サイズのアルバムを2枚持っていたのでチャカの歌は知っていた。だから「あの歌い方でジャズ???」というのが本音だった。
サイズの頃のチャカは、いかにもチビのおてんば娘といった感じで(失礼)、ちょっと子供っぽさを感じさせるストレートな歌い方だった。初めはあまり好きではなかったが、聴いているうちに好きになった。
でもあれでジャズが歌えるとはとても思えない。だから評判を聞いても疑心暗鬼で、実際どんなものかと思っていたのだが・・・。
いやあ、これはいい。まぎれもなくジャズなのだ。Chaka Jazzという言葉が使われているが、まさにその通りで、まぎれもなくチャカであり、まぎれもなくジャズである。可愛らしさが損なわれずにジャズになっているのだ。
ライナーノーツで岩浪洋三がチャカの歌のうまさを絶賛しているが、そりゃそうだろう。口先だけで気取って歌うのがジャズだと思っているような連中は、からだ全体を鳴らして歌うチャカに敵うわけがない。ロックバンドをバックにしてステージをこなしていたのだ。その歌い方にビブラートをかけ、なんとも気持ちよさそうにスキャットするのだ。いいに決まっている。
ハンク・ジョーンズとドン・フリードマンがピアノを担当していたり、ジョージ・ムラーツがベースだったり、マイケル・ブレッカーがサックスを吹いていたりと、バックもひっくり返るほど豪華だが、そんなことよりもとにかくチャカの歌がいい。ジャケットのチャカもかわいくていいじゃないか。
このアルバムは買いである。