温かい実力主義が説かれています!
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実力主義というと何か冷たい印象がありますが、この本で書かれている制度は血の通った温かみがありました。そうは言っても、単に社員を甘えさせるものでもありません。発揮された実力を中心にすえながら、従業員の心情にもきちんと配慮されていますので、納得を得ながら安定経営を目指せる仕組みだと思います。制度の構造は驚くほどシンプルですが、実に細かい配慮が織り込まれています。そして、基本給制度を中心に、手当、賞与、評価の整合がきちんと取れています。この分野に長く携わってきた著者のノウハウが凝縮されているという印象でした。社内の現行制度からの移行方法も示されていて、とてもありがたいです。ここまで書かれていると、具体的なコンサルティング例も見たいのですが、守秘義務上難しいでしょうね。人事制度の刷新を真剣に考えておられる方には、絶対お勧めの一冊です。