上記命題に答えるため、本論考では実際にフリーター・ニートとして生活している51人にインタビューを行い、その結果を下記3点から分析しています。
1)サンプル51名の概況
2)学校の役割
3)家庭の役割
ですが、その殆どを「どうしてフリーターやニートを選んだのか?」への分析(=聞き取り調査の報告)で終わっている為、具体的な対策案を提示するに至っておりません。
(本文最後4pで一応対策案は出ていますが、提示するだけで、それが如何に有効か?、どうすれば有効になるか?といった点には一切触れず)
生の声を載せたという点では評価されるべき論考だと思います。彼ら彼女らがどうしてそういう道を選んだのか?(勤労意欲がない、という一言では片づけられない現実もそこにはありました)という*1)理由を知るにも良い本でしょう。
ですが、自ら掲げた命題にはさしたる答えを出すこと無く本文が終わっております。
*1)経済的に辛いとか、田舎なので仕事がない、という理由もありましたが、少なからずインタビューを読んだ限りでは、本人と親の社会性・道徳性の無さ、つまり「堪え性」の無さがやはり大きな部分を占めると感じた次第。
・友達と離れるのが嫌だから
・(入社式を欠席して)謝ってまで働きたくない
・化粧を落とすのがいや
・(洋服店で)自分の好きな服が着られない
だから「辞めた」。
ふざけるな!としか言いようがない。