【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:佐藤俊樹/著 出版社名:岩波書店 シリーズ名:岩波新書 新赤版 936 発行年月:2005年02月 関連キーワード:サクラ ガ ツクツタ ニホン ソメイヨシノ キゲン エノ タビ イワナミ シンシヨ シンアカバン 936 さくら が つくつた にほん そめいよしの きげん えの たび いわなみ しんしよ しんあかばん 936、 イワナミ シヨテン イワナミシヨテン 0365 いわなみ しよてん いわなみしよてん 0365、 イワナミ シヨテン イワナミシヨテン 0365 いわなみ しよてん いわなみしよてん 0365 一面を同じ色で彩っては、一斉に散っていくソメイヨシノ。近代の幕開けとともに日本の春を塗り替えていったこの人工的な桜は、どんな語りを生み出し、いかなる歴史を人々に読み込ませてきたのだろうか。現実の桜と語られた桜の間の往還関係を追いながら、そこからうかび上がってくる「日本」の姿、「自然」の形に迫る。 1ソメ
社会科学から日本人の桜好きを考察した本。
★★★★☆
春4月。テレビのニュースでは、連日、桜見物のにぎわいを報じている。
そして、ついでに日本人の固有性が喧伝される。
こんなきれいな桜が見られて、つくづく日本人でよかった、と。
マグロのおいしさや温泉の快適さ、これらも日本人でなければ味わえないプロパ
ティなのだ、と。
はたして、日本人は、奈良の昔から桜を珍重したのだろうか。そして現代人と同じ
ように桜見物をしたのだろうか。またマグロも食べたのだろうか。
本書は、桜と日本人の関係を中心に、社会科学の実証の方法をもって、日本人の
固有の特性とされる「感覚」、「考え方」の由来を分析し、それが歴史的に形成
された社会的産物であることを示すのである。
全体に、植物学の資料や文学史的な資料が多用され、論証の手続きが厳密なために、
読みやすい本ではなかったが、「固有の感性」さえ、創作されることを示す、有用
な著作だと思われる。
なお、必ずしも、本筋ではないのだが、2章「起源への旅」の<戦争と事業>の小
節が本書の一番すぐれた部分かと思われた。
明治以降の日本が、第2次大戦で崩壊するまで、どうしてあのような膨張主義の政
策をとりつづけたのかの、もっとも納得のいく説明が書かれているからである。
もちろん、膨張主義の国家と桜の関係も。
見事な研究です。
★★★★★
例えば靖国神社の桜など、明治以降、ソメイヨシノがどのように国民文化となったのかが実証的に論じられています。・・・・佐藤さんを一躍有名にしたのは『不平等社会日本』であり、また佐藤さんは、社会学の最前線の研究者ですが、私は、この桜の書物の方が、彼の名を永遠とはいわないまでも、ずっと記憶させることになるのではないか、なんて思います。専門外ではあるけど、社会学者にしかできないすごい研究です。・・・・・大貫さんの『ねじ曲げられた桜』などでは、国家主義の意図的な桜利用が、実証なく決めつけられている感がありますが、この書物はそういうことはありません。緻密です。・・・・・・そして、桜の象徴的機能が、幾つかの要素がからみあいながら生成して行くことが説得的に語られています。・・・・『想像の共同体』とか、山之内靖氏の一連の研究に興味がある場合は、必読の文献です。
社会学の本としても読めるし、随筆としても読める
★★★★☆
「日本」といえば……「桜」!
「桜」といえば……「ソメイヨシノ」!
と、あたまに浮かんだ人に、是非読んで欲しいです。
著者は、そのような考えも一方で認めながらも、
ゆっくりと私たちの固定観念をほぐしていってくれます。
「ソメイヨシノ」も「八重桜」も「ヤマザクラ」も、
そして、道に咲く雑草さえも、平等に美しいはずだ!
私はそのようなメッセージを受け取りました
近代以降の日本を桜からみる?
★★★★☆
「花は桜木、人は武士」の言葉にあるように桜は古くから日本の伝統的な意識を表しているものであり、その桜は染井吉野である。
という思い込みがまず、間違ったものであり、染井吉野は江戸期に人工的に作られたものでこれが全国いたるところに広がり、学校や公園、堤防などの桜がソメイヨシノになったのは意外や意外戦後である。
ソメイヨシノが好まれて植えられる背景には、苗木を植えて10年という他の20年、30年かかる桜にくらべ成長が早くすぐに花が楽しめるという経済的な理由もあった。
にもかかわらず、私たちが桜に日本人の伝統を見出すのは、日本的なもの、日本の伝統的なものを求めたいという要求によるものだった。近代国家の形成と浸透とソメイヨシノの拡大が同時である、というこれまでのとらえ方にも一石を投じている。
社会論としても、お楽しみ本としても読める本。
ソメイヨシノが語る近代・現代日本史
★★★★★
卒業、入学、就職、そして出会いと別れ、と4月始まりの日本社会の節目を彩ってきた桜。そしてその八割を占めるソメイヨシノ。そのソメイヨシノがオオシマザクラとエドヒガンの交配によって生まれたことは有名ですが、明治初期の誕生してクローンによってしか繁殖しないことは意外と知られていないのではないでしょうか。そのソメイヨシノをめぐる「桜語り」がいかにナショナリズムと結合した幻想を生み、そして戦後復興に大きな役割を果たしてきたかを考察しています。