本書は、日本列島に人類がやってきてから現在に至るまでの歴史を、わずか30分ですっきりと理解できるようにまとめた日本の通史です。

　中学や高校の歴史の教科書よりもはるかにわかりやすく、要点を絞って日本の歴史の流れを概説しています。中学生や高校生は、本書を読んで歴史全体のあらましを頭に入れていると、のちの学習がとても簡単になります。細かい歴史上の事実や出来事が、より深く意味を理解でき、覚えられるようになるでしょう。

　受験を終えた大学生や社会人にとっても、あらためて日本の歴史を学ぶためには本書のような通史のまとめが欠かせないはずです。高校できちんと日本史を履修していない方は、日本史の基礎の理解が足らず、現代の政治や経済、社会問題を理解する上で支障が生まれてしまうだろうと思います。日本史を履修した方でも、何年も経つとところどころ忘れてしまっているかもしれません。ぜひ一度復習しておくとよいでしょう。

　本書はたった30分で読める本ですので、通学や通勤の途中に一気に読み切ることができます。本書の内容を何度も繰り返し読んで理解すれば、日本史の全体像が明快に頭の中に刻み込まれます。今後歴史に関するどんな知識や情報を得ても、その歴史的意義や意味合いを的確に理解できるようになるでしょう。また、歴史的に重要な事件・事実だけをコンパクトにまとめて、歴史の巨大な流れをつかむように努めました。歴史の本筋から外れた些細な事実に関しては、あえて省いたものもあります。

　また本書では、明治維新以降の日本の近代史について、いわゆる自虐史観と呼ばれるような、日本の戦争責任を殊更に強調し、日本批判のために架空の事実まで持ち出してくる、いびつな歴史観を採用していません。特に近年のメディアで騒がれる南京大虐殺などに関しても、客観的に確かめられた事実と歴史的重要性だけに基づいて記述を行いました。

　あくまで公平に、日本と日本人の歩みを正確に辿りました。結果として、幕末から敗戦に到るまで、アジアへの侵略を進める欧米列強の脅威の中で必死に生き残りの道を探ってきた日本人の姿が、はっきりと浮き上がってきています。

　ぜひ本書を利用して、日本史の理解への扉を開いてください！



◆目次

▽まえがき

▽古代
人類の誕生／縄文時代と弥生時代／卑弥呼と邪馬台国／大和朝廷の誕生／日本の神話と神武天皇／朝鮮出兵／仏教伝来／聖徳太子と飛鳥時代／大化の改新／律令国家の完成／東大寺と大仏／平安京の建設／平安文化／武士の登場

▽中世
平氏の台頭と滅亡／鎌倉幕府の誕生／承久の乱／御成敗式目／元寇と鎌倉幕府の衰退／建武の新政／室町幕府と南北朝時代／応仁の乱／鎌倉文化

▽近世
戦国時代へ突入／鉄砲の伝来／キリスト教の布教／織田信長の登場／豊臣秀吉の天下統一／江戸時代のはじまり／キリスト教の禁止と鎖国／江戸時代の社会と文化／江戸の経済政策／欧米諸国との接近

▽近代
黒船来航／日米修好通商条約／安政の大獄と桜田門外の変／倒幕運動／徳川幕府の滅亡／戊辰戦争／明治維新／新政府の三大改革／日本の領土の画定／岩倉使節団／富国強兵／文明開化／条約改正交渉／明治憲法の制定／日清戦争／日英同盟の締結／日露戦争／韓国併合／明治時代の文化／第一次世界大戦／日米対立の背景／大正デモクラシー／大正時代の文化／世界恐慌／日中関係の悪化／満州事変と満州国建国／二・二六事件／日中戦争／日米関係の行き詰まり／第二次世界大戦／太平洋戦争／敗戦

▽現代
占領下の日本／冷戦と日本経済／日米安全保障条約／高度経済成長／外交の進展／戦後の文化

▽あとがき